お正月にはお餅を食べたくなりますが、高齢者にとっては喉に詰まらせやすく危険なものです。
ある訪問介護の利用者さんも、大好きなお餅を家族に禁止されています。でも年始にはどうしても食べたくなるようで……。
新年はおめでたい雰囲気で気持ちが明るくなりますが、それは高齢者の皆さんも同じです。
家族や孫に会えて嬉しそうな方だったり、独り身の方は「お正月だから」と勢いよくお酒を飲んで泥酔したり。皆さん、いろんなかたちでお正月を楽しんでいるようです。
訪問介護の買い物介助では、年末やお正月になると買い物メモの内容がちょっと豪華になります。
いつもは必要最低限の食品や消耗品のみですが、この時期は「お仏壇にちょっといいお酒をお供えしたいから、金箔入りのお酒がほしい」とか「小さいのでいいからお餅がほしい」など、内容はさまざま。
しかしお餅の購入には注意が必要です。高齢者は嚥下機能が低下しているのでお餅を喉に詰まらせる可能があるからです。
家族に迷惑をかけないように、大好きなお餅を我慢していた利用者さん。
昨年は「お正月くらいは食べてもいいよ」と娘さんに言われて大喜びでした。しかし、喜び勇んでお餅を食べたせいか、親族が集まるなかで喉に詰まらせまったそう……。
娘さんは「見守りがあればお餅を食べさせてもいいかな」と思っていたようです。しかし、喉に詰まらせている様子を目の当たりにしたことから、「こんなことがあって怖くて……お餅の購入は断ってください」と事務所に連絡がありました。
それでも利用者さんはどうしてもお餅を食べたかったようで、買い物メモには「切餅小パック」と書かれていました。
「私、昔からお餅が大好きで……お金がなかったときもお正月のお餅だけは欠かしたことがないの」と本当に悲しそう。
それでも危ないので断るしかありません。私の「ダメです」の一点張りに、「仕方ないか……家族の前で詰まらせちゃったもんね」「いけると思ったんだけどな」と残念そうに笑っていました。
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