「懸賞生活で暮らしを豊かにしたい!」そう思うのは高齢者でも同じようです。
あることがきっかけで懸賞にどハマりした訪問介護の利用者さん。なかなか当選しないまま月日が経ったある日、ついに……?
高齢になり隠居生活に突入すると、有り余る時間をもてあましてしまう方が少なくありません。
せっかく自分のためだけに時間を使うことができるのに、趣味がないとなんだかつまらないものですよね。
ある利用者さんは、定年退職したあとに地元の自治会の会長を務め、さらに地域に住む一人暮らしの高齢者への訪問も行っていた凄い人。
しかし脳梗塞を起こしてからは外出を控えがちに。
それまでひた走ってきただけに、その利用者さんは趣味を持っていませんでした。
お一人暮らしなので、何か趣味を見つけたい……と、読書、映画、釣り、散歩など、いろいろやってはみたそうですが、どれもなかなか続きません。
そんな利用者さんの唯一続いている趣味が懸賞応募です。きっかけはひょんなことから。
その方の従兄が「懸賞で高いワインをほぼタダで手に入れた」と自慢気に電話してきたそうです。
負けず嫌いの利用者さん。早速はがきを買い、懸賞の雑誌を見て応募を始めました。
クロスワードを解いて応募するもの、レシートをためて応募するもの、指定の商品のバーコードをためてはがきに貼って応募するものなど、懸賞にもけっこういろいろあるようですね。
でもこれって、よく考えるともの凄くいいリハビリになるんです。
生活の中にどんな懸賞があるか探るだけでなく、その応募スタイルを理解して、はがきにはボールペンで字も書かなくちゃいけません。
その利用者さんはスマホを使っているので、QRコードを読み込んで応募フォームに入力するだけでなく、最終的にはSNS応募までも自分で理解してできるようになっていました。
若者顔負けの使いこなしっぷりです。
ですが引きは弱いのか、なかなか景品は当たらず……「当たったよ!」と見せてくれたのが、パンについているシールを集めたら応募者全員がもらえる白いお皿でした。
まだまだ元気な利用者さん。凄くポジティブで、「ハワイ旅行が当たったらお土産は何がいい?」と聞いてくださいます。
何もいらないから元気で帰ってほしいです、と伝えると「無欲だなぁ~!」と豪快に笑っていらっしゃいました。
漫画・コラム:藤木 なみき
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