長生きする人ってどんな人なのかな?
たくさんの高齢者と接してきた介護士が、健康で長生きする人の特徴を解説するっポ!
早死には嫌だっポ…。長生きする人って特徴はあるのかな?
誰もが病気や障がいを抱えずに長生きしたいと願っています。とはいえ、超高齢社会の日本においては「長生き=健康」ではないのも現実です。
介護の仕事をしていると、たくさんの高齢者に出会います。そのような中で注意していると、長生きをする人には共通する特徴があることが見えてきます。
介護職として働いた経験からわかった、健康に長生きしている高齢者の特徴と、長生きするための秘訣、気をつけるべき点について紹介しましょう。
短命は嫌だな…。がんばって長生きしたいから共通点があったら知りたいよ。
長生きする人にはそれなりの特徴があるようだっポ。
介護の現場で出会った“長生きする人”には以下のような特徴がありました。
以下と逆だと、それは“長生きできない人の特徴”ともいえるので、実践してみるのもおすすめです。
長生きする高齢者には、毎朝ラジオ体操をしている、犬の散歩をしている、花の水やりをしているなど何らかの日課があります。
日課を含む日常生活のルーティーンがあるため、1日をダラダラと過ごすことがありません。
また、毎日同じことを同じように行っているので、普段通りにできないときは自分自身の体の不調にいち早く気づけます。
つまり日課をこなすことは、病気の早期発見にも役立つのです。
ストレスを抱えることは、病気の原因になるといわれています。
健康で長生きしている人は、ストレスをためないようクヨクヨ悩まず物事を前向きに考える性格の人が多い印象です。
長生きの高齢者には、「考えても仕方ないことは、考えないのが一番」と笑顔で話す人もいます。また、人の悪いところより良いところに目を向けるよう意識している人もいました。
このようなポジティブ思考が、寿命を延ばすのかもしれません。
高齢者に限った話ではありませんが、あたりまえのようにいつも「ありがとう」と言う人もいれば、不満ばかりを口にする人もいます。
前者の「ありがとう」が口癖の人は、その性格から家族や友人に大切にされ、小さな変化に気づいてもらえるので長生きする傾向があります。
反対に不満ばかり言っている人は、自分の周りから人がいなくなりやすいため、病気が発見されずに悪化したり、認知機能が低下したりする可能性が高くなるのです。
元気に長生きするには、周囲の人と良好な関係を築くことも必要ということです。
長生きする高齢者の共通点の1つに、「食べ物の好き嫌いがないこと」が挙げられます。とはいえ、野菜中心の粗食が良いというわけではありません。
肉も魚も野菜もまんべんなく食べることが、長生きの秘訣です。
そのことを裏付けるように、人間総合科学大学の柴田博教授(医師)の調査で、普段から動物性タンパク質をしっかり摂っている人は、100歳に達する比率が高いことがわかっています。
また同調査には、毎日牛乳を飲む人は長生きをするという調査報告も。2,000人を対象にした調査で、毎日牛乳を飲む人は牛乳を飲まない人に比べて10年後の生存率が高いという結果が出ています。
百害あって一利なしともいわれるタバコ。喫煙は、命を落とすようなガンや、虚血性心疾患・脳卒中を含む循環器の病気、慢性閉塞性肺疾患(COPD)・呼吸機能低下を含む呼吸器の病気などの原因になります。
このほかにも、喫煙者はさまざまな病気にかかりやすくなるため、長生きできない可能性が高いです。実際、筆者の介護に従事した経験の中では、長生きをしている高齢者の中に喫煙者はいませんでした。
このことからも、いかにタバコが健康に悪いかが理解できます。
「塩分は体に悪い」とよく言われ、味噌や醤油などの調味料には減塩タイプが増えています。
塩分の摂りすぎは高血圧の原因となります。日本人は他国と比べても食塩摂取量が多いため、減塩が重要視されているのです。
血圧が高くなると動脈硬化や心臓肥大が進行し、心筋梗塞・心不全・脳卒中などを引き起こすリスクもあります。
塩分を控えてこれらの病気を防げば、長生きできる可能性が高まります。
「酒は百薬の長」といわれるとおり、適度なお酒は血行を良くしたりストレス解消につながったりと健康に役立つものです。
しかし飲酒量が増えると、肝臓を悪くしたりガンのリスクが高まったりする恐れあります。
そのため、お酒をたくさん飲む人よりは、たしなむ程度に飲酒をしている人の方が長生きできる傾向があるといえます。
週に1日は肝臓を休める「休肝日」を設けるのもよいかもしれません。
なお、適度な飲酒量とは、1日平均純アルコール20g程度。
これは、ビールならロング缶(500ml)1本、日本酒なら1合(180ml)、焼酎なら半合以下、ウイスキー・ブランデーならダブル(60ml)が目安です。
人生において楽しみがある人は、やはり長生きをする傾向があります。
「生きがい」と呼べるような大袈裟なものは必要ありません。家族との外食、朝ドラ、家庭菜園など、その程度の楽しみでよいのです。
ポジティブに人生を楽しむ姿勢が、長生きにつながります。
同様に、好きな芸能人や歌手がいる人も長生きしやすい傾向があります。応援する芸能人や歌手がテレビに出ることを心待ちにしたり、コンサートに行ったりすることで人生に彩りを与えることができます。
年齢を重ねるとともにおしゃれから遠のいてしまう人がいる一方で、長生きする人は外見に気を使ったり化粧をしたりする人が多い傾向です。
外出をするから見た目を意識するのか、おしゃれをするから外に出たくなるのかはわかりませんが、長生きする人にはフットワークが軽いという共通の特徴もあります。
高齢者が自宅に引きこもっていると認知機能や筋力の低下を招くため、できる限り外出を促したいものです。
発酵食品には、味噌・日本酒・甘酒などの麹菌や、ヨーグルト・チーズなどの乳酸菌・ビフィズス菌、そして、ぬか漬け・ビールなどの酵母菌といった、さまざまな菌が含まれています。
これらの発酵食品には、体の働きを手助けする有用菌が多く含まれています。有用菌(善玉菌)が腸内に増えると、免疫細胞を活性化させ病気になりにくくなるのです。
長生きする人の中には、毎朝味噌汁を飲む人やヨーグルトを食べる人なども多く、いかに発酵食品が健康に役立つかがわかります。
厚生労働省は、軽スポーツや体操、ウォーキングなどの運動を生活に取り入れることが、高齢者の健康づくりに役立つとしています。
介護の仕事で見聞きした経験からも、定期的に運動をしている人には長生きの人が多いように思います。
では具体的に、どの程度運動をしたらよいのでしょうか。
厚生労働省が掲げる高齢者の個人目標は以下のとおりです。
○年齢や能力に応じて以下の運動のうち一つ以上を行なう。
・ストレッチングや体操を1日10分程度行う
・散歩やウォーキングを1日20分程度行う
・下肢および体幹部の筋力トレーニングを1週間に2回程度行なう
・レクレーション活動や軽スポーツを1週間に3回程度行う
引用:身体活動・運動(厚生労働省)
たとえこのような目標が達成できなかったとしても、可能な範囲で体を動かすよう意識している人は長生きする傾向があります。
無理をせず自分のペースに合わせて運動をすることが、長生きの秘訣といえそうです。
すでに実践していることやできそうなことがたくさんあったよ!
長生きできるよう取り入れたいな。
介護の仕事をしていると、「ご長寿」と呼ばれる高齢者に出会うことも珍しくありません。
前向きな人、好き嫌いなく食べる人、運動をしている人など、総合的に人生を楽しんでいる人は長生きしやすいように思います。
さらに、お酒を飲み過ぎたり、クヨクヨ悩んだりしないことが長生きへの一歩につながるでしょう。
健康長寿を目指すは、“長生きできない人”にならないよう、まずは“長生きする人”の特徴を参考にしてみてはいかがでしょうか。
著者:柴田 まみ
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