100均アイテムでできる高齢者レクリエーションのアイデアを紹介するっポ!
介護の仕事は排泄介助や入浴介助などが注目されがちですが、レクリエーションの提供も大切な業務のひとつです。そんな介護レクリエーションは、高齢者が満足できるものでなければなりません。
そうはいっても、どのデイサービス・介護施設もレクリエーションにあまり予算をかけられないのが現状でしょう。
そこで活用したいのが、DAISO(ダイソー)やseria(セリア)、Can Do(キャンドゥ)などの100均。100円ショップのアイテムを使った、リーズナブルにできるレクリエーションのアイデアを紹介します。
高齢者のレクリエーションには、以下のような2つの目的があるっポ。
ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)向上
食事や排泄、入浴などに伴う日常生活動作の向上を目指すために、レクリエーションを行います。高齢者が楽しみながらできるリハビリといったところでしょうか。
QOL(Quality of Life:生活の質)向上
レクリエーションには、高齢者の生きがいづくりや生活の質を向上させる目的があります。そのため、レクリエーションが高齢者の「楽しみ」になるよう支援することが大切です。
また、レクリエーションは高齢者の身体機能の維持・向上や認知症予防、利用者同士のコミュニケーションにも効果を発揮します。
100均のグッズでも、高齢者の満足度が高いレクリエーションができるっポ。
体を使うレクと手先を使うレクを紹介するね!
普段運動することが少ない高齢者には、体を動かすレクリエーションに参加してもらいたいものです。
100均のアイテムだけでも、楽しみながらしっかり体を動かせます。
準備
(1)膨らませた風船を、ゴミ袋いっぱいになるように入れる
(2)ゴミ袋いっぱいに膨らませた風船が入ったら、ゴミ袋の口を閉じる
(3)ゴミ袋が丸い形になるよう、袋の端部分を片結びにして形を整える
※透明のごみ袋にカラフルな風船を入れると見た目もきれいです
ルール
円に並べたイスに座ってもらい、巨大風船を床に落とさないようトスを続けるゲームです。トスをするのは手でも足でもOKとし、トスが何回続くかを数えます。
円の真ん中に介護職員が入り、風船が床に落ちそうになったときはサポートしましょう。
注意点
座位をしっかり保てる人のみ参加可能です。座位が不安定な人には、転倒防止のため必ず介護スタッフが付き添います。
準備
(1)複数のテーブルを合わせて、広いテーブルを作る
(2)テーブルにイスを配置し、円になるような形で利用者に座ってもらう
ルール
テーブルの上にボールを転がし、手で返すゲームです。慣れてきたらボールの数を1つずつ増やします。
ボールが3個になると片手では追いつきません。両手を使ってボールを返すことで、普段使わない腕の運動になるでしょう。
落ちたボールはすぐさま介護職員が拾い、テーブルの上に戻します。
注意点
2分、3分と時間を計り、休憩を入れながら行います。
慣れてきたら、ボールのサイズを小さくしてもおもしろいです。
準備
(1)風船を膨らまし、短めのビニール紐と5メートルほどの長さに切ったビニール紐を用意する
(2)風船の閉じた口の部分に、短いビニール紐を輪っかになるように結ぶ
(3)輪っかの部分に長いビニール紐に通す
(4)風船が長いビニール紐の真ん中にくるように調節し、両端は介護職員が持って、頭の高さくらいの位置でピンと張る
(5)ビニール紐の両端付近に人数分のイスを置き、利用者に座ってもらう
ルール
宙に浮く風船をうちわで仰ぐゲームで、相手側の陣地まで風船を動かした方が勝ちです。利用者の数は1対1~3対3くらいまでOK。
うちわを仰ぐ際は、腕を動かすだけでなく足も踏ん張らないといけないため、上下肢の運動になります。
片手でできるので、片麻痺の人でも参加可能です。
注意点
なかなか風船が動かないときは、紐を持つ位置を下げ、仰ぎやすいように工夫します。夢中になった利用者がイスから転落しないよう、介護職員が付き添いましょう。
準備
(1)利用者を5~10人くらいのチームに分ける
(2)人数分のイスをチームごとに横一列に並べ、利用者に座ってもらう
ルール
1人1つずつ卓球のラケットを持ってもらい、一番前にいる利用者のラケットの上にお手玉を置きます。手を使わずに隣の人のラケットにお手玉を乗せて、順にお手玉を送るゲームです。
落ちたお手玉は介護スタッフが拾い、ラケットの上に乗せ直します。片手でできるゲームなので、麻痺のある利用者でも参加しやすいゲームです。
注意点
チームに差が出るとおもしろくないので、利用者の身体機能レベルを考慮してチーム分けをします。
慣れてきたら、お手玉の数を増やしてもよいでしょう。
手先を使うレクリエーションは、脳トレにもなるので積極的に取り入れたいものです。利用者一人ひとりの興味に合わせて選べば、きっと楽しんでもらえるでしょう。
ここからは、100均アイテムを用いた「手先を使うレクリエーション」を4つ紹介します。
脳トレの定番「大人の塗り絵」は、100均でも購入可能です。花や風景、ファンタジーなど、ラインナップも充実しています。
正解がなく、自由に塗ってもらえる塗り絵は、認知症の人にもおすすめです。
100均には、お店によってマグネット付きのリバーシ(オセロ)が100~500円程度で売られています。参加できる人数が限られてしまうリバーシですが、数百円なら複数個用意しやすいのではないでしょうか。
リバーシは、指先の運動にもなります。
準備
(1)20~30枚(利用者の人数によって異なる)の紙皿を用意し、表に魚のイラストを描き、裏に「10点」「20点」などの点数を書く
(2)魚の口部分にクリップを付け、テープで留める
(3)ラップの芯などの先に50センチくらいの紐をつけ、紐の先に磁石を結んで釣竿を作る。(利用者の人数に合わせて数セット必要)
(4)ブルーシートに紙皿の魚を並べる。シートの周りにイスを並べたら、利用者に座ってもらう
ルール
クリップに磁石を付けて、魚を釣るゲームです。紙皿の裏面に書いてある点数の合計点で競います。個人戦でもチーム戦でもOK。
イラストではなく魚の写真を貼り付けると、リアル感が増しておもしろいです。ルールが簡単なので、認知症の人にもわかりやすいメリットがあります。
注意点
利用者の座る距離が近いと紐が絡まったり、竿同士がぶつかったりするので、間を空けて座ってもらうようにしましょう。
準備
製氷皿の穴の数分フェルトボールを入れた箱を、製氷皿とセットにして利用者に配る
ルール
製氷皿の穴にフェルトボールを1つずつ入れていくゲームです。
「簡単すぎる」と感じる利用者には、箸を使ってもらったり、フェルトボールのサイズを小さくしたりするのもよいでしょう。
指先を使うので、リハビリにもおすすめです。
注意点
認知症の利用者がいる場合は、フェルトボールの誤飲に十分注意してください。
レクリエーションには、高齢者のADLやQOLを維持・向上させる目的があります。そのため、利用者が楽しみながら体を動かしたり、手先を使ったりできるレクリエーションを提供しなくてはなりません。
また、利用者に「子どもじみたゲーム」と思われないような工夫も求められます。
たとえば、レクリエーションをする前に「腕の筋力アップを目指すために、リハビリを兼ねて〇〇ゲームを行います」というようにゲームの目的を説明するのもおすすめです。
リーズナブルな100均アイテムを使って、高齢者が満足するレクリエーションを目指しましょう。
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