耳が遠いはずなのに…?ヘルパーの“ある失言”を聞き逃さなかった利用者さん【介護漫画】

補聴器をつけても聞こえが悪いという訪問介護の利用者さん。
聞こえていないと思い、つい言ってしまったヘルパーの一言とは?

「こちらのお家って…」

高齢になると、音量を上げないとテレビが聞こえにくかったり、高い声や音が聞きとりにくくなったりします。これは加齢性難聴であることが多く、根本的治療法はありません。

高齢者の多くが加齢性難聴を抱えているので、訪問介護の利用者さんを知る上でも難聴の有無は重要なチェック項目の1つです。

加齢性難聴になってもう5年になる利用者さん。補聴器を使えば何とか聞き取れるといった状態です。

訪問を始めた頃からかなり聞こえが悪く、サマリーにも「難聴がすすんでいるため耳元での声掛けを」と書いてありました。
なので、私たちヘルパーは「耳元で話さないと聞こえない」とずっと思い込んでいましたが、それはただの勘違いだったようです。

お掃除の引継ぎをしようと、もう1人のヘルパーと一緒に訪問したときのこと。
少しぽっちゃりさんのそのヘルパーが階段を上がろうとすると、踏んだ場所が“ぎい~”と鳴ったんです。

明るい彼女は、私にウケを取ろうと一言。「古い家なんですね!」。
すると、うしろにいた利用者さんが「そうなの。築30年!」「勢いあまって踏み抜かないでね~!」と笑いながら言ったんです。

そのときばかりは明るい彼女も固まっていましたが、私もビックリ! いつも耳元の声掛けでやっと意思疎通できるレベルなのになぜ……?
今考えても不思議な出来事でした。

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漫画・コラム:藤木 なみき

介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

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