訪問介護を拒否されたけど…高齢者に受け入れてもらえたサ責の妙案【介護漫画】

訪問介護は利用者さんのお宅を訪問してサービスを提供します。しかし「他人を家に入れたくない」などとサービスの利用に抵抗感がある高齢者も少なくありません。
認知症の症状がある一人暮らしの高齢者。サービス開始から2週間経っても家に入れてもらえず……。

「やっぱり入れてもらえない…」

認知症になると、自分の誕生日や季節、その日が何年で何月何日なのかなどがわからなくなることがあります。

誰もが「怖い」「なりたくない」と思うかもしれませんが、認知症はいきなり何もかも忘れてしまう病気ではありません。だんだんと進行し、自分は認知症だとわからないまま発症していることもあります。

利用者さんの中には、認知症を抱えたまま一人暮らしをしている方もいます。サービスが必要であっても、認知症の方は拒否が強くなかなか家に入らせてもらえないことも。

こちらの利用者さんも認知症を抱えたまま一人暮らしをしていた1人です。ご家族が毎日通うことができなくなりサービスが始まったのですが、その必要性をなかなか理解してもらえません。

ケアマネが何度も訪問したり、サービス提供責任者が電話でヘルパーの受け入れを促したりするのですが、「知らない」「誰かわからない奴を家には入れない」の一点張り。

家事や買い物はできる状態だったので、必要性を感じていなかったのかもしれません。
訪問できないまま2週間が経ったころ、ケアマネに許可を取ってサービス提供責任者とヘルパーの2人で訪問することになりました。

ただの訪問だと追い返されてしまうので、その日は近所の方に扮してです。
本当はいけないことなのかもしれませんが、ご家族には服薬確認と掃除を任されていました。しかしできないまま2週間も経ってしまったので実行することに。
    
「回覧板です」とお邪魔すると、ご本人はキョトンとした表情。でも玄関を開けていただいたので、“近所の人”として自己紹介ができました。
その後は“世話好きの近所の人”としてですが、サービスをさせていただくことが可能に。

拒否がある方だと、介助をする側は心が折れたりがっかりすることも多いのですが、この件では利用者さんにサービスを継続していただけ、私たちも安心しました。

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漫画・コラム:藤木 なみき

介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

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