白血病を患っていた父親は、息子に見守られながら76歳の人生に幕を下ろしました。
そして数日後、葬儀はつつがなく進行しますが、気がかりなのは母親のこと。母親は父親が亡くなったことをまだ知りません。
父の葬儀は近親者数人のみで執り行うこととなり、少人数での葬式になりました。当時はコロナ禍だったので、全員がマスクを着用した静かな式です。
お世話になったケアマネジャーさんもわざわざご挨拶に来ていただきました。
式は滞りなく終わり、親戚とともに木棺を霊柩車に運んでから火葬場へと向かいました。そして午後には父の納骨を済ませ、小さくなった父を家に連れて帰りました。
これでひとつの大きな出来事が終わりを迎えましたが、式の間も気がかりだったのが、父が亡くなった事実をどう母に伝えるかです。
倒れる前の母であれば、式に参列できなかったことをとても残念がったと思います。でも、母はくも膜下出血によって高次脳機能障害が出ている状態でした。
記憶中枢に後遺症があるので、父が亡くなったことを理解できるのか。理解できたとしても、ショックを受けて精神的に悪影響になるのではないか……。
これは母に言うべきなのか? それとも知らせないままのほうがいいのか? これにはかなり悩むことになりました。
漫画・コラム:やまデザイン
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