厚生労働省は26日、2018年度の概算医療費が42兆6000億円となり過去最高を更新したと発表した。
前年度と比べて約3000億円、0.8%伸びた。増加は2年連続。
厚労省の担当者は、「高齢化や医療の高度化などが影響した」と分析している。増加は今後も続いていく見通しで、給付と負担のあり方をめぐる議論への関心はさらに高まりそうだ。
概算医療費は、病気や怪我の治療などにあたって医療機関に支払われた金額を集計したもの。労災や全額自己負担の治療費を含まない速報値で、確定値である国民医療費のおよそ98%に相当する。
国民1人あたりの医療費は33万7000円で、前年度から4000円増えていた。年齢別に分けると、75歳未満が22万2000円なのに対し、75歳以上は93万9000円。この格差は4倍以上となっている。
医療費の内訳を診療種類別にみると、入院が全体の40.6%を占める17.3兆円。入院外が14.6兆円(構成割合34.2%)、歯科が3.0兆円(7.0%)、調剤が7.5兆円(17.6%)だった。薬価を引き下げた影響で調剤の伸び率はマイナス3.1%。これが全体の伸びを小幅(0.8%)にとどめる要因となった。
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