政府は新型コロナウイルスの大流行を踏まえ、先月末に成立した今年度の補正予算で介護現場への新たな支援策を講じる。その事業の詳細を明らかにする実施要綱を、厚生労働省が今月15日に全国の自治体へ通知した。【Joint編集部】
それによると、急ぎの人材確保に向けた賃上げや職員への危険手当の支給、衛生用品の購入、施設・事業所の消毒など、平時なら生じなかったはずの追加経費について幅広く補助が行われる。国と地方の総事業費は103億円。このうち3分の2を国が、3分の1を都道府県が負担する。
介護サービス事業所等に対するサービス継続支援事業の実施について
ただし、こうした補助を実際に受けられる施設・事業所は一部にとどまる。今回の実施要綱では、
○ 自治体から休業要請を受けた施設・事業所
○ 利用者、職員に感染者が発生した施設・事業所
○ 濃厚接触者に対応した施設・事業所
○ 特例の訪問サービスを提供した通所介護事業所
○ 自主的に休業した施設・事業所の利用者を受け入れた施設・事業所
などが対象とされた。感染を防ぐ努力をしながらぎりぎりの綱渡りを続けていても、これらに該当しない施設・事業所は対象外となっている。
「今の支援策では不十分」「さらに強化しないと現場はもたない」
15日の衆院・厚労委員会では、与野党の議員から改めてこうした追及の声があがった。
これに対し加藤勝信厚労相は、今月中にも編成される第2次補正予算案で支援策を拡充できないか調整すると答弁した。これまでのところ、「介護現場の実態も踏まえて検討していきたい」などと述べるにとどめており、どこまで期待に応えられるかは不透明だ。
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