新型コロナウイルスの影響で在宅介護サービスの利用を控える動きが広がっていることを踏まえ、厚生労働省は利用再開に向けた調整を行う事業所に対して新たに助成金を出す。【青木太志】
過去1ヵ月まったく利用がない高齢者について、健康状態、生活ぶりを改めて詳しく把握したうえで、本人・家族が希望する感染防止策やサービスのあり方を確認し、必要な働きかけ、準備、環境整備などに取り組むことを条件とする。住まいを訪ねて把握・確認すれば利用者1人につき3000円、電話での把握・確認なら同1500円を支払う。
助成は利用者1人につき1回までとする。実際に利用再開までつながったか否かは問わない。高齢者の心身機能の低下や重度化を防ぐこと、事業所の経営を下支えすることが狙いだという。
訪問介護、訪問看護、通所介護、居宅介護支援、小規模多機能、ショートステイなど幅広い在宅サービスを対象とする。サービス事業所ならケアマネジャーと、ケアマネジャーならサービス事業所と連携することを求めていく。居宅介護支援に限り、医師や看護師、管理栄養士などの協力を得た場合に額を上乗せする(利用者1人につき最大6000円)。
今月12日に成立した第2次補正予算で積み増した交付金(緊急包括支援交付金)の財源を使う。介護報酬の給付ではなく全額国費の助成金。自治体や利用者の負担はない。
厚労省は制度の細部を規定する実施要綱を19日にも通知する。事業所から都道府県へ申請してもらう形で支給する考え。統一的な申請書のテンプレートも準備中だ。申請の受け付け開始は早い地域で7月からとなる見通し。
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