厚生労働省は25日、来年度予算の概算要求の内容を自民党の部会へ報告した。近く財務省へ提出する。【Joint編集部】
一般会計の総額は、今年度の予算額より34億円多い32兆9895億円となった。社会保障を支える財源が多くを占める構造。給付費の国庫負担分をみると、年金が約12.4兆円、医療が約11.8兆円、介護が約3.1兆円にのぼっている。このほか、障害福祉や生活保護などに充当する費用も計上された。
政策の柱にはウィズコロナ、ポストコロナの時代に対応した制度の構築を据えた。「全分野でデジタル化を重点的に推進する」と説明。介護分野ではICT、IoTの活用やロボット開発の支援、データ基盤の整備、「科学的介護」の展開などにリソースを振り向ける方針を打ち出した。
特に緊急性、重要性が高い新型コロナウイルス関連対策は別枠扱い。要求額は示さず、年末にかけて新たに投じる費用の多寡を調整していくことになった。この中には例えば、医療体制、検査体制、保健所の強化やワクチンの研究開発・確保、衛生用品の供給、雇用対策などが含まれる。
来年4月の介護報酬改定をどうするかも今後の大きな検討課題だ。与野党の議員や現場の関係者らは支援策の拡充を訴えており、厚労省予算は最終的に過去最大規模へ膨れ上がる公算が大きい。
田村憲久厚労相は25日の閣議後会見で、「新型コロナウイルスやインフルエンザの広がりが今後どうなるのか。それもみながら全体を考えないといけない。予算の積み上げをすべきものはしていく」と述べた。
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