厚生労働省は5日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う介護サービスの運営基準などの特例をめぐり、新たなQ&A(第20報)を公表した。介護保険最新情報のVol.963で周知している。【Joint編集部】
訪問介護などの事業所がワクチン接種に関与する際のルールを規定するもの。「接種会場が体育館や福祉センターなど医療機関以外の場合、利用者は移動手段として訪問介護を利用できるか」との質問に答えている。
厚労省の回答は以下の通り。公共交通機関を活用するパターンと、ホームヘルパーなどが運転する車を活用するパターン、2通りの解釈を示している。
■ 公共交通機関を活用する場合
○ 訪問介護の身体介護のうち通院・外出介助が利用可能。
○ ヘルパーなどが付き添い、移送中の気分の確認も含めて接種会場への外出介助を行った場合には、所要時間に応じた報酬で身体介護を算定できる。
■ ヘルパーなどが運転する車を活用する場合
○ 訪問介護の通院等乗降介助が利用可能。なお現行の取り扱いの通り、以下の場合に限って、運転時間を除いた所要時間に応じた報酬で身体介護を算定可能。
1)接種会場へ外出するために乗車・降車の介助を行う前後に連続して相当の所要時間(20分から30分程度以上)を要し、かつ、手間のかかる外出に直接関連する身体介護(移動・移乗介助、身体整容・更衣介助、排泄介助など)を行う場合 = 要介護4、5の利用者の場合
2)接種会場への外出に直接関連しない身体介護(入浴介助・食事介助など)に30分から1時間程度以上を要し、かつ、その身体介護が中心である場合 = 要介護1から5までの利用者の場合
これらの支援を実際に行う場合、ケアプランの記載の見直しはサービス提供後でも差し支えないという。利用者の同意についても、「最終的には文書による必要があるが、サービス提供前に説明して同意を得ていれば、文書はサービス提供後に得ることでよい」と記載されている。
厚労省はこのほか、(看護)小規模多機能や定期巡回・随時対応サービスについて以下の認識を示した。
○ 小規模多機能の訪問サービスには、いわゆる訪問介護の身体介護のうち通院・外出介助が含まれているため、小規模多機能事業所が利用者に対して接種会場への外出介助を行うことができる。
○ 定期巡回・随時対応サービスは、併せて訪問介護の通院等乗降介助を利用することができる。そのため、訪問介護事業所のヘルパーなどは自ら運転する車を活用して、定期巡回・随時対応サービスの利用者に対して接種会場への移送に係る介助を行うことができる。
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