障害者福祉の課題などを扱う社会保障審議会・障害者部会の今月1日の会合 − 。地域の相談体制の充実をテーマとして取り上げた厚生労働省は、その具体策の1つとして、全国すべての市町村に「基幹相談支援センター」を設置することを目指す方針を示した。【Joint編集部】
現在センターを設置しているのは778市町村で、全体の45%と半数以下にとどまる。厚労省はこれを100%に近づけ、相談支援の中核的な機能の強化につなげたい考えだ。担当者は審議会で、「小さな市町村の共同設置なども認めつつ、基本的に全国の全域がカバーされる方向を目指す」と述べた。
基幹相談支援センターは、地域の相談支援の拠点として総合的な業務を行う機関。身体障害者や知的障害者、精神障害者などの相談に応じるほか、地域の連携体制のコーディネートや事業者への指導・助言、人材育成の支援、権利擁護・虐待防止などの役割も担っている。
厚労省はこれらを更に展開していきたい考え。この日の審議会では、「センター未設置の市町村では、スーパーバイズや研修などの人材育成、支援者支援の取り組みが実施されていないことがある」「センターが設置されると、総合的・専門的相談の実施や地域の体制強化の取り組みなどが推進される傾向にある」と指摘した。
審議会の委員からは、全市町村にセンターを設置するという国の方針に賛同する声が相次いだ。あわせて、センターがその役割を十分に果たせるよう運営費の支援を拡充すること、相談を受ける専門性の高い人材の育成・支援に力を入れること、ワンストップで利用できる分かりやすい体制の構築に努めることなどを求める意見も出た。
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