障害福祉サービスの見直しなどを議論する社会保障審議会・障害者部会が11月29日に開催され、厚生労働省がこれまでの「議論の整理」を提示した。【Joint編集部】
障害者の相談支援を更に強化していくこと、高齢の障害者に対する支援を改善していくことなどを打ち出した。1人暮らしなど本人の希望の実現を後押しする観点から、グループホームの新しいサービス類型の創設に向けた検討を進めていく、との方向性も盛り込んだ。
厚労省は年内に中間報告をまとめる予定。障害者総合支援法の見直しなど、今後の制度改正につなげていく考えだ。
相談支援の強化については、地域で中核的な役割を担う「基幹相談支援センター」を設置している市町村が半数以下(約45%)にとどまっている現状を課題として提起。設置を努力義務と位置付けることなどにより、全市町村へのセンター設置を目指すと明記した。
高齢の障害者に対する支援では、介護保険へのスムーズな移行を促す仕組みの普及が十分に進んでいないと指摘。引き続き「共生型サービス」の推進を図るとともに、サービス切り替えなどで増える利用者の自己負担を軽減する「新高額障害福祉サービス等給付費」について、積極的な周知や活用促進に努めるとした。
厚労省は「議論の整理」に、「グループホーム利用者の中に1人暮らしやパートナーとの同居などを希望する人がいる。本人が希望する暮らしの支援を目的とするグループホームのサービス類型を新たに設けることを含め、さらに検討していく必要がある」と記載。これまでのプロセスで、「整備が進まないのではないか」「安定的な事業運営が難しい」などの意見が出たことも踏まえ、丁寧に検討を進めていくと説明した。
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