【介護報酬改定】リハ職による訪問看護、新たな減算のルールまとめ

今年度の介護報酬改定は一部のサービスが6月施行とされた。

現場の事務負担の軽減などが目的。医療の診療報酬改定の動きに合わせて、厚生労働省は従来の4月施行から2ヵ月後ろ倒しにする判断を下した。【Joint編集部】

6月施行のサービスの1つが訪問看護。ステーション、病院、診療所、いずれも基本報酬が少しずつ引き上げられ、加算の新設・拡充も複数実施される。

ただ、基本報酬の減算も新たに適用される。リハビリテーション専門職によるサービスの評価だ。ここではその要件や詳しいルールを、厚労省がこれまでに発出した通知などを基にまとめていく。

※ 訪問看護にはこのほか、BCP(業務継続計画)が未策定の事業所や虐待防止措置が未実施の事業所に対する減算も導入される。BCP未策定の減算には経過措置があり、来年3月31日まで適用されない。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるサービスの減算が新たに適用されるのは、以下の要件に該当する事業所だ。

リハ職によるサービスの減算の要件

次のいずれかに該当する場合に減算が適用される。

(1)前年度のPT、OT、STによる訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えている場合。

(2)緊急時訪問看護加算、特別管理加算、看護体制強化加算をいずれも算定していない場合。

減算は8単位。介護予防訪問看護に限り、12ヵ月を超えてサービスを提供すると更に15単位が減算される。要件と適用の関係を表にまとめた。

厚労省は報酬改定の解釈通知で、「2024年度に減算する場合は、2023年度の訪問回数の実績に応じて、2024年6月1日から2025年3月31日までの間で減算する」と説明。「2025年度以降は、前年度の訪問回数の実績に応じて、翌年度4月から減算する」との認識を示した。

報酬改定のQ&Aでは、前年度のリハ職による訪問回数の計算方法などを具体的に解説。次のような解釈を明らかにした。

報酬改定のQ&AVol.1

問28|前年度のリハ職による訪問回数は、連続して2回の訪問看護を行った場合、どのように数えるのか。

答|リハ職による訪問看護の減算に係る訪問回数については、リハ職が連続して2回の訪問を行った場合、1回と数える。例えば、理学療法士が3月1日と3月3日にそれぞれ2回ずつ訪問を実施した場合、算定回数は4回であるが、訪問回数は2回となる。また、リハ職が3月5日の午前に1回、午後に連続して2回訪問した場合は、算定回数が3回、訪問回数が2回となる。
問29|前年度のリハ職による訪問回数はどのように算出するのか。

答|居宅サービス計画書、訪問看護報告書、訪問看護記録書などを参照し、訪問回数を確認すること。
問30|前年度のリハ職による訪問回数には、連携型の定期巡回・随時対応サービスによる訪問回数は含まれるか。

答|含まれる。

報酬改定のQ&AVol.5

問1|減算の要件の訪問回数は、訪問看護費と介護予防訪問看護費で別々に数えるのか。それとも合算して数えるのか。

答|訪問看護と介護予防訪問看護の指定を合わせて受け、一体的に運営されている場合は合算して数える。
提供元:介護のニュースサイトJoint

この記事をシェアする

ハートページナビは、介護保険・介護サービス事業者情報誌「ハートページ」のWebサイトです。
ハートページ誌は、全国約70市区・約100万部を発行する業界最大級の介護情報誌。20年を超える歴史(2001年創刊)、カバーするエリアの広さ、発行部数、各自治体や連絡協議会と連携し制作された信頼性の高さで、介護に関わるみなさまより高い評価を得ています。
ハートページナビでは、介護情報を専門に扱うサイトとして、介護に関わる皆さまに必要な情報、役立つ情報などを掲載しています。

おすすめコンテンツ

メニューを閉じる