“もったいない精神”を大切にする高齢者は少なくないようで、ある訪問介護サービスの利用者さんもそのひとり。
彼女が実践するとってもエコな節約術とは?
介護を仕事にしているとたくさんの高齢者と接しますが、なにに対しても“もったいない”の精神で取り組んでいる方が多いといった印象です。
水道、ガス、電気はもちろんのこと、衣類や家電製品、食器に至るまで丁寧に使い、ものを大切にする習慣や節約が当たり前になっている方は少なくありません。
特に戦争を経験された高齢者の方々は、私たちヘルパーに「今の時代はなんでもあっていいけれど、昔はなにもなかったんだよ」と、もののありがたみを語ってくださいます。
大切なのは、そういった高齢者の価値観を学んで、なんでも丁寧に扱うこと、生活の中で実践すること、そして今の若い世代にも伝えることだと思います。
私が担当する訪問介護の利用者さんに、そんな“もったいない精神”のお手本になるような方がいらっしゃいます。
もの作りに携わっている方へ日々の感謝を忘れないその方は、食べ物でもまだ食べられる部分はすぐに廃棄せず、丁寧に食べています。
その方法は簡単。ネギの根っこ部分、人参や大根のヘタ、豆苗の根っこ部分などを水に浸し、再生するのを待って何度も収穫します。
リボべジ(再生野菜)とも呼ばれる方法で、エコな生活を送る方々が実践しているようです。
日の当たる浴室の窓際に再生野菜を置いている利用者さん。
とても大切にしているようで、「農家の方が精魂込めて育てた野菜だから大切に食べなくちゃね」とおっしゃっていました。
その利用者さんは食べもの以外でも節約をしていて、特に節水は掃除のサービス中にきつく言われてしまいます。
トイレ掃除をしていても、雑巾がけをしていても、お風呂掃除をしていても「風呂の残り湯をつかってね?」と、後ろに立って見守っています。
ヘルパーとしては多少緊張してしまうのですが、利用者さんのその心がけはとっても立派。
私も自分の子供たちに掃除をお願いするときに、必ず風呂の残り湯を使うようお願いしています。
「お母さんケチじゃない?」なんて言われてしまいますけどね。
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