【喉に詰まりやすい食べ物ランキング】高齢者が注意したい食品とは?

【喉に詰まりやすい食べ物ランキング】高齢者が注意したい食品とは?【喉に詰まりやすい食べ物ランキング】高齢者が注意したい食品とは?
はーとん

高齢者はどんな食べ物を喉に詰まらせやすいのかな?
普段の食生活にも注意が必要だっポ。

高齢になると、何気ない不注意から事故を引き起こす可能性があります。数多くのトラブル例でも意外と多いのが、食べ物を喉に詰まらせて起こる「窒息事故」です。

どんな食べ物が喉に詰まりやすいのか、ランキング形式で紹介します。また、高齢者が喉に詰まらせやすい理由や窒息事故を防ぐ方法、窒息事故が起きた場合の対処法についても解説するのでぜひ参考にしてみてください。

高齢者が食べ物を喉に詰まらせやすい理由

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高齢者の窒息事故はけっこう多いみたい…。

消費者庁のニュースリリースによると、窒息事故で命を落とす高齢者は2016年の1年間で8,493人でした。これは、交通事故で亡くなる高齢者の3倍近い人数です。

近年では、窒息事故に関する注意喚起が頻繁にされているおかげか、数年前と比較すると高齢者の窒息事故件数は減少しています。
しかし誤嚥などによる不慮の窒息は高齢になるほど増加するという傾向は変わっていません。

高齢者に発生する窒息事故のタイミングは食事の最中がもっとも多く、以下のような理由から窒息事故の発生リスクが高いといえます。

  • 歯の本数が減る
  • 飲み込む力が弱い
  • 小さく噛み砕けない
  • 唾液の分泌量が減る
  • しっかりとした姿勢を保てない
  • 異物を除去する咳の反射が低下する

など

また、高齢者に窒息事故が多いのは、嚥下機能の低下も要因の1つとされています。
嚥下機能が低下すると、食べ物は口腔内や咽頭部に停滞してしまいます。そして、停滞した食塊を食道へうまく流し込めず、窒息へつながってしまうというわけです。

さらに、認知症を発症している高齢者の場合だと「食べるスピードが早い」「食事に集中できない」などといったことが起こりますが、これらも窒息事故の原因になります。

喉に詰まりやすい食べ物ランキング

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内閣府の資料を参考に「喉につまりやすい食べ物ランキング」を紹介するっポ。

では、喉につまりやすいのはどのような食べ物なのでしょうか。
こちらは、高齢者のみではなく全年齢を対象としたランキングです。

なお、参考とする内閣府の資料は2006~2008年のデータをまとめたものです。現在では圏外になっているであろうカップ入りゼリー(こんにゃくゼリー)は省略しています。

※ランキングは、物性・大きさなど特定困難な食品が削除されたデータです。また、類似食品は1つにまとめて(メロンパン・食パンなどは「パン」とするなど)統計しています。

窒息事故件数の多い食品ランキング

まずは、窒息事故件数の多い食品ランキングです。

窒息事故件数の多い食品
  食品 重症以上 死亡
1位 54.7% 19
2位 ご飯 29.6% 14
3位 1.2% 0
4位 パン 33.2% 12
5位 寿司 44.7% 6
6位 お粥 28.1% 1
7位 リンゴ 5.3% 1
8位 団子(みたらし団子) 45.5% 2
9位 バナナ 32.5% 1

このランキングを見ると、米や餅、団子などの粘度の高い食品、パンやバナナなどの口の中で食塊をつくりにくい食品などが喉に詰まりやすい食べ物であることがわかります。
(ちなみにカップ入りゼリーは10位でした)

日常的に食べる機会が多い食べ物もランキングに入っているので普段から注意が必要ですね。

重症以上の割合が50%以上の食品ランキング

続いて、喉に詰まらせると重症化しやすい食べ物のランキングは以下になります。

重症以上の割合が50%以上の食品
  食品 重症以上 死亡
1位 しらたき・糸こんにゃく 71.4% 0
2位 たこ 66.7% 1
2位 油揚げ 66.7% 0
2位 プルーン 66.7% 0
5位 牡蠣フライ 60.0% 0
6位 里芋 58.3% 0
7位 カステラ 57.1% 1
8位 ヨーグルト 55 6% 1
9位 54.7% 19
10位 こんにゃく 50.0% 0
10位 そうめん 50.0% 0
10位 干し柿 50.0% 0

弾力があって噛み切りにくいものや、喉に張りついて取り除きにくい食べ物がランキング上位に入る傾向にあります。
あとで詳しく解説しますが、全体的に重傷者は60歳以上が多く、高齢になるほど食品による窒息リスクは大きくなるようです。

当時と状況が変わっているため省略していますが、実際はこんにゃく入りゼリーがランキング1位でした。
しかし、多数の窒息事故が起きていたことから各製造者が対策に取り組み、工夫が施されるようになりました。現行のものは、「警告マークをパッケージに記載する」「硬さの軽減をする」など改善策がとられています。

コレが危険!高齢者の喉に詰まりやすい食品は?

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高齢者が注意したいのはどんな食べ物かな?

以下のグラフを見ると、食べ物による窒息事故は高齢者・子どもが圧倒的に多いとわかります。

食べ物を喉に詰まらせた救急事故の発生状況(内閣府PDFより引用 ※一部編集)

食べ物をのどに詰まらせた救急事故の発生状況/年齢別グラフ

特に60歳以上の重症以上の割合は、上記で紹介したランキングのほぼすべての食品において50%以上を占めます。
60歳以上であればすべての食品に注意する必要がありそうですが、70歳以上で重症以上になりやすい食品もあります。

70歳以上がより気を付けたい食べ物は「里芋」「カステラ」「ヨーグルト」「そうめん」、80歳以上になるとそれらに加えて「油揚げ」「干し柿」が危険です。

ランク外ですが、「かまぼこ」「豆腐」「プリン」でも高齢者が重症以上になっています。これらの食べ物を口に入れる際も注意した方がいいでしょう。

一方、12歳以下で重症以上の事故発生率が高い食品は「ソーセージ」「ピーナッツ」「リンゴ」「パン」「飴」など。子どもは噛む力が弱いため、ピーナッツやリンゴなどの硬い食べ物の事故が多い傾向にあります。

また、食べ物を正しく認識できない乳幼児では玩具やビニールなどでの窒息事故も発生しています。

食べ物以外も危ない?誤飲・誤嚥に注意したいものランキング

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窒息事故は食べ物だけが原因じゃないっポ。

食べ物が喉に詰まる「窒息」と少しだけ似ている言葉に、「誤飲」「誤嚥」などがあります。

意味の違いとしては、食べ物ではないものを飲んでしまうことを「誤飲(ごいん)」といい、食べ物が気道に流れてしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいます。

ここでは、誤飲・誤嚥されることが多い製品や、重症以上の被害があった製品をランキング形式で紹介します。

事故件数が多い製品ランキング

誤飲・誤嚥されることが多い製品は以下です。

事故件数が多い製品
1位 魚等の骨
2位 たばこ
3位
4位 包み
5位 入れ歯
6位 化学製品
7位 玩具
8位 包装ビニール
9位 シール
10位 硬貨

「たばこ」や「薬」、「入れ歯」など普段から口に入れるものを誤って喉に詰まらせてしまうほか、「玩具」や「硬貨」、「包み」などは子どもが口に入れてしまう、または認知症によるケースも考えられます。

重症以上の被害があった製品ランキング

誤飲・誤嚥で重症もしくは重篤の被害があった製品は以下です。

重症以上の被害があった製品
  製品 重症以上
1位 玩具 6.9%
2位 6.5%
3位 文具 5.3%
4位 入れ歯 4.8%
5位 紙類 4.0%
6位 化学製品 2.4%
6位 包装ビニール 2.4%

高齢者は、「薬」や「入れ歯」など普段から口に入れるものを誤飲・誤嚥しているケースと、「紙類」など異食が起因であろうケースに分かれます。

認知機能の問題などでも対策は変わってきますが、家庭で見かける機会の多い身近なものが事故につながっていることを把握しておきましょう。

特に高齢者に関しては、「薬」を誤飲することで重症につながるケースがもっとも多くなっています。
間違った薬を飲んでしまったり、薬を飲みすぎてしまったりすることで重症につながる可能性もあるため、薬の管理はしっかりと行う必要があります。

ちなみに5歳以下では玩具や包装ビニールが多い傾向でした。

少しの工夫でできる、高齢者の窒息事故を防ぐ方法

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高齢者の窒息事故を防ぐ方法を紹介するっポ。

高齢者の窒息事故を防ぐ方法としては、以下の4つが挙げられます。

  1. 食品を小さく切るなど食べやすい大きさにする
  2. 一口の量は無理なく食べられる量にする
  3. 急いで飲み込まず、ゆっくりとよく噛み砕いてから飲み込むように促す・見守る
  4. 食事の際は、最初にお茶や水などを飲んで喉を湿らせる(食べ物の通過をよくする)

「1. 食品を小さく切るなど食べやすい大きさにする」は、高齢者の噛み砕く力が弱いためです。
一人ひとりの嚥下機能に合わせたサイズにカットするようにしましょう。細すぎて食塊が作りづらくなってしまうのは、窒息事故予防に逆効果です。

また、事故発生件数が1位の「餅」にも注意が必要です。餅には、温度が冷えると粘稠度が増し、硬くなるという性質があります。口腔内程度の温度では硬くなってしまうのです。

餅はお正月などのイベントに食べるのみなど、多くの方は日常的に食べ慣れていません。特に注意が必要といえます

異物(薬の包装やペットボトルのキャップ)による窒息については、認知症での異食行為が原因となっていることが多いです。
「ビニール袋」や「ペンのキャップ」「入れ歯洗浄剤」「硬貨」「たばこ」など口に入れることのできる大きさのものは、手の届く範囲に置かないようにしましょう。

知っておこう!高齢者が窒息したときの対策

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いざというときに知っていると安心だっポ。

今後、高齢者が窒息しそうな場面に遭遇することがあるかもしれません。緊迫した場面で慌ててしまうと、最悪のケースにつながる可能性も高まります。

食事中に急に顔色が悪くなり、首に手を持っていく「チョークサイン」が見られたら窒息の合図です。発見したらすみやかに対応するようにしましょう。

特別な資格を保有していなくてもできる、窒息事故への対応法を2つ紹介します。

腹部突き上げ法(ハイムリック法)
注意:乳幼児と妊婦に行ってはいけません

  1. 片手で握りこぶしを作り、親指側を窒息している人のみぞおちの十分下方にあてる
  2. そのこぶしをもう一方の手で握り(窒息している人に後ろから抱きつくような姿勢)、素早く手前上方に向かって圧迫するように突き上げる

体格差が大きいと成功率が下がるため、効果がなければ次に紹介する「背部殴打法」を試してみるとよいでしょう。
また、乳幼児や妊婦には「背部殴打法」のみを実施しましょう。

背部殴打法

  1. 窒息している人をやや前傾姿勢にし、左右の肩甲骨の中央あたりを力強く叩く

意識がなければ救急車を呼ぶなどするようにしてください。

まとめ

高齢者の窒息を予防するためには、喉に詰まりやすい食べ物を知ることが大切です。どの食べ物に危険が潜んでいるかといった予備知識があれば、事故を未然に防ぎやすくなります。
また、万が一のケースに備えて対処法を知っておくことで、最悪の事態を回避できる可能性も高まります。

喉に食べ物や異物を詰まらせることがないよう、本記事を事故防止の参考にしてください。

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著者:益田 香

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著者:益田 香

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看護師資格保有
高齢者施設で約5年間、看護職として従事。入居型介護施設での勤務をきっかけに、高齢者のより良い生活の場を作るためにすべきこと、看護介入について深く考えるように。介護現場で得た知識を情報発信したいとの思いから、2016年頃から執筆活動を開始。読者の疑問に答えられるよう心がけた執筆をしている。

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