地域密着型サービスは全部で9種類あるっポ。
住所地特例についても解説するよ。
地域密着型サービスってどんなサービスなのかな?
地域密着型サービスとは、介護が必要になり、認知症の症状や要介護度がさらに重くなったとしても、住み慣れた地域で可能な限り生活を続けられるよう支援するサービスです。
地域密着型サービスを利用できるのはその市町村に住民票がある人で、市町村が指定した事業者のみがサービスを提供することができます。
地域密着型サービスが創設された背景には、総人口と高齢化の地域差の問題があります。大都市部では総人口が横ばいであるのに対し75歳以上の人口は急増しています。
一方、町村部では75歳以上の人口増加は緩やかですが、総人口は減少しているのが現状です。
このような状況の中、地域包括ケアシステムを構築していくためには、地域の特性に応じた支援策を講じなくてはなりません。
そこで、国は2006年4月の介護保険制度改正にて、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)、小規模多機能型居宅介護などを含む6つの地域密着型サービスを創設しました。
そして、2012年4月の改正では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と複合型サービス(2015年、看護小規模多機能型居宅介護に名称変更)の2つの新たな地域密着型サービスを追加しています。
2016年4月には小規模型通所介護を地域密着型サービスに移行し、現在のかたちになりました。
地域密着型サービスは全部で9種類あるっポ。
地域密着型サービスは、訪問系、通所系、入居系、複合サービスの4つに分けられます。
訪問 | ・夜間対応型訪問介護 ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 |
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通所 | ・地域密着型デイサービス ・認知症デイサービス |
施設入所 | ・認知症高齢者グループホーム ・地域密着型特定施設入居者生活介護 ・地域密着型特別養護老人ホーム |
複合サービス | ・小規模多機能型居宅介護 ・看護小規模多機能型居宅介護 |
要介護1~5の人は地域密着型サービスを、要支援1・2の人は地域密着型介護予防サービスを利用することになります。
訪問系の地域密着型サービスは次の2つです。
利用対象者:要支援× 要介護〇
22時から翌6時を含む夜間に、定期巡回と随時訪問のサービスを提供します。
定期巡回は、訪問介護員が夜間帯に定期的に訪問して排泄の介助や安否確認などをし、随時訪問は、ベッドから転落して起き上がれなくなったときや具合が悪くなったときなどに対応してもらえます。
必要に応じて緊急時には救急車の手配などもしてもらえ安心です。
なお、直接利用者の援助に該当しないサービスや、日常生活の援助を超える範囲のサービスは対象外です。
利用対象者:要支援× 要介護〇
利用者の心身状態に応じて24時間365日、必要なサービスを必要なタイミングで利用できる地域密着型サービスです。
訪問介護のヘルパーだけでなく看護師とも連携をとっているため、介護と看護を一体的に提供できます。
通所系の地域密着型サービスは次の2つです。
利用対象者:要支援× 要介護〇
通常のデイサービスと同じく、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などのサービスを日帰りで受けることができます。
通常のデイサービスとは違って定員は19名未満と少人数制なので、落ち着いた雰囲気の中で過ごせます。
利用対象者:要支援〇 要介護〇
通常のデイサービスと同様に日常生活上の支援や機能訓練などのサービスを受けられますが、認知症の利用者を対象とした専門的なサービスを受けられる点が特徴です。
利用定員は12名以下と少人数で家庭的な雰囲気を持っていることから、認知症の人でも安心して過ごせる施設です。
入居系の地域密着型サービスは以下の3つです。
利用対象者:要支援1× 要支援2〇 要介護〇
認知症の診断を受けた人を対象とした入居施設で、一般的にはグループホームと呼ばれています。
定員は1ユニット5~9名と少なく、入居者は介護スタッフと一緒に料理や掃除などをしながら共同生活を送ります。
家庭的な環境の中で、食事や入浴などの日常生活の支援や機能訓練などを受けられる施設です。
利用対象者:要支援× 要介護〇
指定を受けた入居定員30名未満の有料老人ホームや軽費老人ホームが該当します。入居者は、入浴や排泄などの介助、機能訓練、食事の提供といったサービスを受けることができます。
利用対象者:要支援× 要介護1・2× 要介護3~5〇
定員30名未満の特別養護老人ホーム(特養)で、常に介護を必要とする人が入居できます。入居対象者は原則要介護3以上ですが、やむを得ない事情がある場合は要介護1・2の人も入居可能です。
地域や家族との繋がりを持ちながら少人数で生活できる点が地域密着型特養の特徴で、日常生活上の支援や機能訓練、療養上の世話を受けられます。
複合的にサービスを提供する地域密着型サービスは以下の2つです。
利用対象者:要支援〇 要介護〇
通所を中心に宿泊と訪問の3つを組み合わせたサービスです。1事業所の登録定員は29名以下と定められています。
一日当たりの通いと泊りの定員にも決まりがあり、通いは15名以下、泊りは9名以下が目安です。
馴染みの職員が3つのサービスを提供するので、知らない職員からサービスを受けることに抵抗を感じる人にはメリットが大きいといえるでしょう。
利用対象者:要支援× 要介護〇
小規模多機能型居宅介護の通所・訪問・泊りのサービスに加え、看護師による訪問看護を組み合わせたサービスです。
家庭的な環境を維持しながら、介護と看護のサービスが一体的に提供されます。
この2つには違いがあるっポ。
地域密着型サービスと通常の介護保険サービスでは、利用対象者の条件や料金体制などに違いがあります。
2つのサービスの主な違いは次の3つです。
介護保険サービス事業者の指定は、通常の介護サービスであれば都道府県が、地域密着型サービスであれば市町村が行います。
地域密着型サービスの指定・監督は市町村が行います。そのため地域密着型サービスを利用できるのは、原則その事業所のある市町村の被保険人のみです。
ただし、施設に入居する住所地特例者は、地域密着型サービスの一部が利用できます。住所地特例者とは、他の市町村から施設に入居し、住民票もその施設に移した人を指します(詳しくは「住所地特例者が利用できる地域密着型サービス」の段落で解説)。
また、他の市町村の指定があった場合には、その市町村の被保険者も対象になります。
通常の介護サービスであれば、自分の住んでいる以外の市町村であっても利用可能です。
居宅介護で利用できる地域密着型サービスの一部では、月額料金が設定されています。通常の介護サービスでこの料金設定はありません。
具体的には以下のサービスです。
地域密着型サービスのメリットとデメリットを紹介するっポ。
地域密着型サービスを提供する事業所は小規模なため、利用者のニーズに沿った柔軟な対応をしてもらえます。
特に、小規模多機能型居宅介護は訪問・通い・泊りの3つのサービスを自由に組み合わせることができる点が大きなメリットといえるでしょう。
一方、デメリットとしてはサービスによっては単価が高いことです。
夜間対応型居宅介護の場合は、いつ使うかわからないのに支給限度額の枠を空けておかなければならないといった不満の声も聞かれます。
また、小規模多機能型居宅介護ではケアマネジャーを変更しなければならないことから、利用を躊躇してしまう人も少なくありません。
住所地特例ってどんな仕組みかな?
住所地特例とは、介護保険施設等が多くある市町村に給付費の負担が集中しないようにする仕組みです。
例えば自分の住むA市からB市にある施設に入居して住民票も移したとします。
通常であれば住民票のある市町村が介護保険の保険者となりますが、B市に負担が偏らないよう保険者は変わらずA市のままにするという仕組みが住所地特例です。
<住所地特例の仕組み>
住民票:A市→施設のあるB市へ移動
保険者:A市のまま
地域密着型サービスは原則その市町村の被保険者のみが利用できるサービスです。
しかし、住所地特例者の場合は、実際にはその市町村に住んでいることから、一部の地域密着型サービスを利用できることになっています。
住所地特例者が利用できる地域密着型サービスは以下の通りです。
地域密着型サービスは、認知症や介護度が重くなっても住み慣れた地域での暮らしを継続できるよう支援する介護サービスです。地域の実情やニーズに合わせた柔軟なサービス提供が魅力といえます。
実際のサービス内容や料金は地域によって違いがあるため、利用を検討する場合には担当のケアマネジャーに相談してみてくださいね。
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