高齢者にとって、9月のメインイベントといえば「敬老の日」。この時期、多くのデイサービスや介護施設などで敬老会が開催されます。
訪問介護の利用者さんもデイサービスでの敬老会を心待ちにしているようです。
今年の「敬老の日」は9月19日ですね。多くの介護施設やデイサービスでは、職員さんの企画するイベントが毎年開催されています。
当訪問介護事業所では大きなイベントなどやりませんが、特にデイサービスは毎月開催される誕生会よりもずっと盛大に敬老会を行うところが多いようです。
当訪問介護事業所の女性利用者さんも、デイサービスの敬老会が待ち遠しいご様子でした。
「ねえ聞いて!」と、利用者さん。
そのデイサービスでは、職員さんだけでなく、送迎の運転士さんや食堂の調理師さんも参加して敬老の日を祝ってくれるそう。
「感謝」と大きく書かれた垂れ幕に、壁面には今までのイベントで撮った写真。デイの利用者さんが合作で制作した大きな絵画も展示され、いつもより館内がきらびやかに飾られているんだそうです。
その方の敬老会での一番の楽しみは、ちらし寿司。
高齢の方々はお寿司が大好きですが、デイサービスでは握り寿司を出せません。海苔巻きも飲み込みにくいのでちらし寿司を出すのですが、私がデイサービスで働いていたときも皆さん大喜びでした。
食事と口腔ケアが終わると次は職員による出し物があるそうで、漫才やピアノ演奏、ハンドベルの演奏など、とても賑やかなんだとか。
利用者さんは最後にこうおっしゃいました。
「毎年思うの。職員さんは敬老会の出し物に向けて、とっても一生懸命練習してるんだって」「いつも人手不足で忙しいのに……その気持ちがどんな豪華な料理よりも嬉しい」と。
介護業界は慢性的な人手不足に加えて、新型コロナの影響で業務負担も増えました。
当訪問介護事業所にも同様の苦労があるので、デイサービスの職員さんたちの苦労は痛いほどよくわかります。
きっと利用者さんの笑顔を想像しながら、敬老会の準備の時間を捻出しているのでしょう。
その熱意が利用者さんに伝わっていたんだなという、心温まるエピソードでした。
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