ある日ヘルパーが利用者さんのお宅を訪ねると、そこには大きな梨が。
立派な梨に込めた高齢者の思いに、ヘルパーの心もホンワカです。
食欲の秋ですね。涼しくなると食べ物がおいしく感じます。夏にセーブされていた食欲が解放されたかのように、私の胃袋も秋の味覚を求めてやみません。
今年も太ること確定となりそうです。
秋の味覚といえば、りんご、梨、栗、サツマイモ、かぼちゃ……などなど。「実りの秋」というだけあって、数々の旬の果物や野菜が名を連ねます。
そんな食欲の秋の最中、訪問介護の利用者さん宅を訪ねると、それは大きな梨がお仏壇に供えられていました。見るからに高級そうなので思わず眺めてしまったほどです。
その梨はお孫さんにもらったそうで、息子さんご一家が梨狩りに行かれたとのことでした。
でも利用者さんの笑顔には少し悲しそうな影が。
「梨だったら母ちゃんの方がそらぁ喜んだろうに」「いつまでも仏壇に供えておきたいよ」そんなふうにおっしゃっていました。
話を聞くと、数年前に亡くなられた利用者さんの奥さまは千葉県の出身。梨の名産地に生まれたからか、お菓子やおせんべいよりも梨が大好物だったそう。
「スーパーでおいしい梨を見分けるもの上手だった」と話される利用者さんの目には、懐かしい昔の思い出が映し出されているようでした。
実は最近、物忘れが出てきていた利用者さん。奥さまのこともたまにしか話さなくなっていたのですが、梨のエピソードをきっかけに若いころの話を次々とされたのでびっくり。
最初は大きな梨に感心していただけでしたが、利用者さんの思い出話もたくさん聞くことができて大変有意義な時間となりました。
いい土産ができたと、事務所に帰ってその話を他の職員にもしたら、みんなとても喜んでいました。
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