高齢になると嚙む力や飲み込む力が低下してしまう方も少なくないようです。
そんな方は普通の食事が難しく、食事形態を刻み食やミキサー食などに変更することがあります。
でも刻み食やミキサー食を目の前に出されたら……介護職は実際に試しておくことも大事なのかもしれませんね。
介護施設と同じように、病院では患者さんの状態に合わせて食事形態を変えています。
歯がなかったり飲み込みが悪かったりするときに変更するだけでなく、精神症状によってもこまめな変更や見守りが必要です。
食事形態は「常食」「粗刻み食」「刻み食」「ミキサー食」の4種類。
一人ひとりに合わせた食事形態にすることも必要で、おかずだけ刻み食にしたり主食だけお粥にしたり。さらに、卵はダメとか皮付きの果物は出さないなど、患者さんごとに細かく決められています。
ハナさんは体調を崩して一時期絶食になり、しばらくは点滴で栄養をとっていました。少しずつ食べられるようになって、食事は重湯から徐々に常食へと戻しているところです。
以前はお正月に握り寿司を食べていたハナさん。今年はまだミキサー食の段階です。
お寿司を運んでも手を付けず、まわりをきょろきょろ……他の患者さんが食べているふつうのお寿司を見て、ついに泣き出してしまいました。
自分の前にあるのはふつうとは違うミキサー食のお寿司。様子の違うお寿司がショックだったのかもしれません。
以前、研修で各食事形態を試食する機会がありました。
粗刻み食は小さく切ってあるだけでそれほど違和感はなく、刻み食はさらに細かくなっているのでちょっと味気ない感じ。
ミキサー食にいたっては、食べたという感じがしませんでした。料理に水分を加えてミキサーにかけているだけなので、“ペースト状の何か”を飲み込んでいるような感覚です。
食事形態の変更は患者さんのためではありますが、危険を避けるための予防的な措置だったりするケースも。職員がついていればゆっくり噛んでしっかり飲み込める方も多くいます。
食べることは元気のもと。見守りや声掛けを増やせば、できるだけ形のあるものを食べてもらえます。私たち介護職員のがんばりどころですね。
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