患者さんが寝静まり職員数も少ない夜間――そんな夜勤中は介護士が驚くような出来事が起こることもしばしば。
夜勤中、介護士が巡視に回っていると薄暗い中から「キィキィ…」という謎の音が……。そこから現れたのは患者さんでした。
患者さんは夜になると元気になってしまうことがあります。昼夜逆転しないように多くの患者さんには睡眠導入剤が処方されていて、夜はしっかり休んでもらうようにしているのですが……。
骨折して車椅子を使っているソノさん(仮名)。また自分で歩けるように訓練を始めたころの話です。歩行訓練の一環として、日中の職員が多いときに車椅子を押して歩いてもらうようにしていました。
ある夜勤の日、薄暗い中から「キィキィ…」と車イスの音が。見るとソノさんが歩いてくるところでした。
話を聞くと「今日の仕事が終わっていない」とのこと。まじめなソノさんは一日に歩く分を自分で決めていたようで、それを自分の仕事だと思っている様子。
無理にお部屋に連れて行ってもまた起きてしまうだろうし、少しお付き合いすることにしました。
若い頃には朝から晩まで畑仕事、夜も裁縫の内職をやっていたというソノさん。「病院にいるうちはお仕事しないでのんびりしてください」と言っても、なんだか居心地が悪そうです。
一人で歩くのは危ないし、夜は休まないと体がもちませんよとお伝えすると、やっと「じゃあ昼間にするね」と約束してくれました。
いつまでも忙しく一生懸命働く(?)ソノさん。私も見習ってがんばらないと!と思った出来事でした。
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