ある訪問介護の利用者さんから聞いたお話。
ご主人とのお見合いでステキなエピソードがあったようです。
訪問介護の利用者さんのお宅に伺うと、昔の話を聞かせていただくことが多々あります。
ほとんどが戦争の話や昔の苦労話なのですが、なかにはちょっと面白いと思ってしまうようなエピソードも。
もう当事業所と10年以上のお付き合いになる90代の女性利用者さん。旦那さまはすでに亡くなり、お子さんも結婚して家を出ているため一人暮らしです。
いつものようにお宅に伺ったある日、旦那さんとのお見合い話をしてくださいました。
利用者さんは当時18歳。女学校を卒業して花嫁修業をしたのちにお見合いをしたそうです。
「本当は男の人といるより女友だちとおしゃべりしている方が好きだったけど、親が決めたことだから仕方がない」。そう笑っていましたが、次の瞬間ちょっと興奮気味に。
「でもお見合いでは美味しいものが食べられるのよ。そのときは見たこともないものが出てきたの!」。
利用者さんが18歳の頃は、「砂糖は貴重だし、洋菓子が一般家庭の食卓に並ぶことはぜったいになかった」そう。
それが旦那さまとのお見合いの際には、ショートケーキがお茶菓子として提供されたらしいのです。
「私、感動しちゃって。そのときのことは今でも忘れられないのよ」と利用者さんはうっとり。
でも感動したのはそれだけではなかったようです。
「私……彼の話も聞かず、ショートケーキをジッと見てたの」「そうしたら『僕の分も食べますか?』って差し出してくれたのよ!」。こんな優しい人はいないわよね~と若干のろけ気味。
今も旦那さまの好きだったコーヒーをお仏壇に供えている利用者さん。とても微笑ましい姿です。
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