訪問介護には、利用者の買い物を代行するサービスがあります。
いつもは重いものや大きいものだけ買い物を頼んでいた高齢者。ある日、普段なら頼まないようなものまでヘルパーに買い物をお願いします。
体調不良かと心配するヘルパーですが……その理由はスマホでのキャッシュレスでした。
ここ数年でスマホ決済は当たり前になりましたね。私もコロナの流行がきっかけで始めました。介護従事者としては非接触がとてもありがたいのです。
訪問介護の利用者さんの中にも、スマホ決済を使っている方がいます。でもそのような方は本当に稀で、始めてもすぐに利用をやめてしまうような方がほとんどです。
慣れない操作は、ときに高齢者にとって大きなストレスになります。きっと、慣れた現金払いの方が楽なのでしょうね。
息子さんにスマホ決済をすすめられた男性の利用者さん。現金払いよりも断然得だという理由で始めましたが、次第に使わなくなったそうです。
そのことが分かったきっかけが買い物支援。いつもはトイレットペーパーや飲料水といった重たいものや大きいものだけをヘルパーに依頼するのに、その日はいつも自分で買っている食材も頼んできたのです。
どこかケガでもされたのかなと思って聞いてみると、「生活費を全額スマホに入れたけど、残高の見方がわからず怖くて買い物ができない」とのこと。
スマホにお金は入っているのに、現金のように可視化できないから不安になってしまったようです。
利用者さんはヘルパーが使う分の現金は残していたので、その日はそのお金で買い物をしました。
また一緒にアプリの残高確認をすると、利用者さんは「こんな簡単なことだったのか!ごめんね。お騒がせして」と何度もお詫びとお礼を言ってくれました。
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