訪問介護を利用する女性の利用者さん。あることがきかっけで見守りカメラを設置することになりました。
でも見守りカメラが気に入ったのは別の理由からだったようで……?
最近では一人暮らしのお年寄りを見守る便利グッズがたくさん出ていますね。
20年ほど前までは、バスの停車ボタンのようなものを首からぶら下げる簡易的なものでした。何かあったときにそのボタンを押すと救急につながるというものです。
便利かと思いきや常に身につけていないと意味がないため、家族が目を離せない状況はさほど変わりませんでした。
でも今では、GPSで所在を確認できるサービスや、遠隔で高齢者の様子を確認できるカメラなどがあります。親子が離れて暮らしていても、一人暮らしの高齢者が安心して暮らせるようになったんですね。
ある日、利用者さんの自宅を訪問したとき、セキュリティ会社の方がカメラを設置しに来ていました。離れて暮らす娘さんからのプレゼントです。
実はその数日前、利用者さんはキッチンでボヤを起こしていました。なべ底から1センチくらいの油を入れて「あげ焼き」をしようとしたときに、油が熱くなりすぎたせいです。
普段はしっかりしている方ですが、娘さんにそのことを伝えると「お母さん認知症になりかけているのでしょうか」と真剣な声色。そんな娘さんが心配してカメラの設置に至ったというわけです。
カメラは娘さんのスマホとリンクしているので、利用さんの生活スペースをリアルタイムで確認できます。
利用者さんの生活は非常に規則的です。キッチンに立っている時間には、きっとスマホから確認しているのでしょう。
ですがそんな近代的で機能的なアイテムも、利用者さんにとっては話し相手のようなものだったみたいです。カメラに向かってよもやま話をしているところを、ふいに拝見してしまいました。
娘さんがいつでもスマホで見られるということを、どうやら忘れていたようです。
娘さんがそのときに見ていたかどうかはわかりませんが、もし見ていたらきっと困ったように笑っていたかもしれませんね。
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