ヘルパーが聞いた利用者さんのエピソード。
高齢者の何気ない一言が孫夫婦の危機を救ったのかも……?
訪問介護を利用している女性の利用者さん。お宅には思い出の詰まった写真がたくさん飾られています。
特に孫やひ孫の写真が多く、お掃除に入った際には子どもたちの可愛い笑顔にとても癒されます。
私が写真の話題を振ると利用者さんはとても嬉しそう。
「この子は優しくていつも誕生日に手紙をくれる」「この子はヤンチャで甘えん坊」と、掃除をしたいのになかなか始められなくなってしまうほどです。
その日、利用者さんのお宅には新しい写真がありました。いつも決まった場所に家族の写真が飾られているのですが、新しく置かれていたその写真には、女の子と利用者さんのお孫さん夫婦が映っています。
女の子は数字の5の形をしたバルーンを抱きしめています。
「新しい写真ですか?」と聞くと、「ひ孫の誕生日だったのよ」と利用者さんは笑っていましたが、「でもちょっと複雑な気持ちにもなった出来事があってね」と、少し表情が曇りました。
帰り際、お孫さん夫婦に「2人とも協力してがんばっているんだね」「この子の笑顔を見ているとよくわかるよ」と声を掛けると、お嫁さんが急に泣き出してしまったそう。どうやら子育てで思い詰めていようです。
後日、お嫁さんから感謝の電話がありました。利用者さんからの労いの言葉があって以降は、あまり協力的でなかった夫が家事・育児ともにやるようになってくれたんだとか。
「私が息子を甘やかしたから、孫も気が利かなくて育児に積極的にはならなかったのかね……反省反省」と利用者さんは苦笑い。「でも孫夫婦のかすがいのような役割を担えて幸せ」とも話していました。
もしかしたら何気ないひとことがお孫さん夫婦の危機を救ったのかもしれませんね。
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