厚生労働省は18日、全国の都道府県や指定都市などの担当者を本省の講堂に集め、今後の重点施策を説明する「部局長会議」を開いた。
「介護保険の見直し作業に入る」。
制度を所管する老健局の大島一博局長はそう明言。「人手不足、認知症、(制度の)持続可能性にこたえるものでなければならない」との認識を示した。
2021年度から始まる次の3年(第8期)に向けて、厚労省は来年の通常国会に介護保険法の改正案を提出する予定。今年はその内容が審議会などで本格的に議論される。制度の行方を左右する非常に重要な年だ。
政府はすでに、居宅介護支援のケアプラン作成で新たに自己負担を徴収することや、市町村の総合事業へ移すサービスを増やすことなどを俎上に載せる構えをみせている。18日の経済財政諮問会議では、民間議員が「歳出改革のさらなる強化」に取り組むことを改めて提言した。今後さらに多くの争点が浮上する見通しで、業界を騒がす大きな議論に発展していくとみられる。
大島局長は説明の中で、「制度の重要な前提・基盤となるものが地域づくり。これから人手不足の時代が続き、より深刻化する。地域づくりができないと現場でサービスがうまく回らない」と指摘。「厚労省としても真剣に地域づくりに取り組んでいきたい。地域づくりに貢献する介護保険にしていく、という視点で見直しをしていく必要がある」と語った。
大島局長はこのほか、「介護予防と生活支援がポイントになる」「高齢者が体を動かす機会、みんなが集まる機会、そうした“通いの場”を身近なところにたくさん作ることを勧めていく」などと述べた。
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