他人のたばこの煙にさらされる受動喫煙を防ぐ対策を強化する改正健康増進法が1日から一部施行された。介護施設・事業所の扱いはどうなっているのか?
今回、新たに規制がスタートしたのは学校や児童福祉施設、病院、官公庁など。多くの子どもや患者などが利用するため、その敷地内が原則として禁煙とされた。繰り返し指導を受けても改善しないなど、悪質な違反者には最大で50万円の過料が課される。
1日から「原則敷地内禁煙」となった施設の種類には、病院や診療所に加えて、薬局、介護医療院、介護老人保健施設、難病相談支援センター、はり・きゅう師らの施術所なども含まれる。また、学校は小学校、中学校、高校、大学だけではない。介護福祉士や社会福祉士、看護師などの養成校も幅広く対象とされた。
もっとも、いくつかの条件を満たせば敷地内でも例外的に喫煙所を置くことができる。これは喫煙者が近隣の喫煙所に流れ、周囲に望ましくない影響が出てしまう事態を避けるための措置。具体的な条件として、
○ 喫煙することができる場所が区画されていること
○ 喫煙することができる場所である旨を記載した標識を掲示すること
○ その施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置すること
○ 近隣の建物に隣接するような場所に設置しないよう配慮すること
などが定められている。
介護医療院と老健以外の介護施設・事業所は、改正健康増進法が全面施行される来年4月1日から「原則屋内禁煙」となる。これは一般的なオフィスと同じ扱い。特養やグループホーム、デイサービス、小規模多機能などはもちろん、訪問介護や居宅介護支援などの事務所も規制の対象となる。
煙が外部へ漏れない作りをした「喫煙専用室」を設けることは可能。そこ以外の建物の中は禁煙だ。たとえ利用者が「吸いたい」と言っても認められない。屋外であれば喫煙できる。
例外は“住まい”として使われるプライベートな空間。例えば特養の個室、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の居室などがこれに該当する。
改正健康増進法にはこのほか、
○ 受動喫煙を生じさせないよう周囲の状況に配慮しなければならない
○ 喫煙所を置く際は受動喫煙を生じさせない場所とするよう配慮しなければならない
○ 20歳未満の者(従業員を含む)を喫煙所に立ち入らせてはならない
なども定められている。
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