国立社会保障・人口問題研究所は2日、2017年度の年金や医療、介護などの社会保障給付費が過去最高の120兆2443億円にのぼったと発表した。
前年度比1.6%増。介護は10兆1016億円となり、制度創設から初めて10兆円台に達した。
社会保障給付費は、税金や社会保険料などで賄われた費用の総額。患者・利用者の自己負担は含まれていない。今後、高齢化の進行でさらに膨張を続けていくとみられている。
2017年度の社会保障給付費を分野別にみると、全体の45.6%を占める「年金」が前年度比0.8%増の54兆8349億円だった。次に多い「医療」は、同1.6%増の39兆4195億円(構成比32.8%)となっている。
介護保険や生活保護、児童手当などを含む「福祉その他」は、同3.1%増の25兆9898億円(構成比21.6%)。このうち、「介護」だけの伸び率は同4.1%となっている。
「介護」の伸び率が大きい要因について、厚生労働省の担当者は「介護職員の処遇改善加算の拡充、要支援・要介護認定者の増加などが影響した」と説明した。
このほか、施設の整備費など個人に直接給付されない費用も含める「社会支出」は、前年度比1.6%増の124兆1837億円だった。
「社会支出」がGDPに占める割合は22.69%。2015年度の各国のデータと比べると、日本はアメリカ(24.50%)やスウェーデン(26.74%)、ドイツ(27.04%)、フランス(32.16%)などの先進国より低くなっている。
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