2017年度の1年間で、介護保険料の滞納によって保険者に資産を差し押さえられた人が1万5998人にのぼったことが、厚生労働省が17日に公表した2018年度の「介護保険事務調査」の結果で分かった。
前年度から1183人の増加。データがある2013年度以降で最も多くなった。
※ 厚労省は昨年7月25日に出した介護保険最新情報Vol.668で、2016年度の差し押さえ処分の人数を1万6161人と公表していたが、今回のVol.739で結果を訂正。1万4815人だったと改めた。
滞納者に保険給付を制限したケースも、前年度より593件多い1万3981件あった。保険料の金額が以前より高くなってきたこと、経済的に余裕のない人が増えてきたことなどが背景にあるとみられる。介護ニーズが一段と拡大する今後、保険料は更に上がっていく見通しだ。
この調査は全国の1741市町村が対象で、回答率は100%。結果は介護保険最新情報のVol.739で周知されている。
資産の差し押さえは、介護保険料の滞納が長期にわたっている人などが対象。保険者が個々の実情も勘案して実施の判断を下す。
調査結果によると、2017年度の1年間に差し押さえたのは650保険者。前年度より106保険者増えていた。
決められた介護保険料をきちんと支払っていないと、実際に介護サービスを利用する段階になって給付制限のペナルティを受けることになる。
給付制限で最も多かったのは、1万1253人の「給付減額」。滞納が2年以上に及んでいる人などが対象で、前年度より467人多かった。次いで、いったん費用の全額を支払った後で給付を受ける「償還払い」。滞納期間が1年を超えた人などが対象で、前年度より129人多い2696人だった。
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