記録的な大雨や暴風で各地を襲った台風19号と重なってしまった今年度の介護支援専門員実務研修受講試験。中止の判断を下した都道府県では再試験が検討されているが、実際に行われるまでには相応の時間がかかりそうだ。
厚生労働省は13日に出題された試験問題を、今月16日以降にネットなどで公開する予定。このため再試験を行うためには、新たな試験問題を用意することが不可欠となる。13日の試験問題が再び使われることはない。
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試験問題の作成には通常、半年程度の時間を要する。厚労省の担当者は、「来月にすぐ再試験を行う、とかそういう日程にはならない。難しい」と説明。年度末が近い頃にならざるを得ないのではないか、という認識を現時点では持っているとした。
新たな試験問題の作成には追加の費用が伴う。再試験には会場の手配や周知なども欠かせず、いざ行うとなると実務研修にも影響が及んでくる。
厚労省は今後、再試験についての都道府県の考え方をヒアリングしていくという。基本的にはそれぞれの意向を尊重する、というスタンスだ。
ケアマネ試験の要綱では、「試験は1年に1回以上行うこと」と規定されている。このため、どこも「再試験を行う」と回答してくる可能性が高いとみられるが、これはまだ確実ではない。都道府県の判断によっては、中止したところの中で対応が違ってくる可能性も残されている。
新たな試験問題を作成する社会福祉・振興試験センターとも調整したうえで、厚労省は再試験の日程を改めて提示する方針。13日に実施した都道府県であっても、やむを得ず受験できなかった人などに配慮して再試験を行うことは可能だとしている。
受験者の安全や公共交通機関の乱れなどを勘案し、13日は東京や宮城、静岡など1都12県が試験を中止した。関東の1都6県で実施したのは群馬県だけ。東北では福島、宮城、岩手、青森の4県が中止した。
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