厚生労働省は21日、75歳以上の高齢者が加入している後期高齢者医療制度について、保険料の上限額を年間で2万円引き上げる方針を固めた。
同日の社会保障審議会・医療保険部会に諮り、委員から大筋で了承を得た。高所得の人が対象で、来年度から見直す。
後期高齢者医療制度の保険料は2年に1度のサイクルで改定される。現行の上限額は年間62万円。年金収入が年間886万円以上の人が対象だ。
今回の見直しでは上限額を年間64万円とする。対象は加入者全体の1.29%にあたる、年金収入が910万円以上の人。引き上げは2018年度の5万円増に続いて2回連続となる。
見直しの狙いは、高所得層に一定の負担増を求めることで中間所得層の保険料の伸びを抑えることにある。
厚労省の試算によれば、平均的な年金収入とされる341万円の人の保険料は今年度、年間20万9000円。現行のままでは、給付費の膨張などによって来年度から21万5000円となる見通しだが、今回の見直しによって21万4000円に抑えられるという。
関連記事
新着記事