日銀が事務局を務める金融広報中央委員会が、今年の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果を公式サイトで公表した。
老後の生活費の収入源を複数回答で尋ねたところ、例年同様、約8割の世帯が「公的年金」を選んでいる。
その一方で、「就業による収入」が48.2%と5割に近づいた。前年より2.5ポイント上昇。調査方法や設問などを見直した2007年以降で最も高くなっている。年齢を重ねてもできるだけ働いて稼いでいく、と考えている人が徐々に増えている現状が改めて浮き彫りになった形だ。
この調査は今年6月から7月にかけて行われたもの。2人以上が暮らす全国8000の世帯が対象で、40.3%の3222世帯の回答を集計したという。
「老後も働く」とした世帯が増加した背景には、将来の生活や年金に対する不安の高まりがある。
老後が「非常に心配」と答えたのは40.3%。前年より4.1ポイント上がり、40.9%だった「多少心配」もあわせると81.2%にのぼった。このうち73.3%が、心配の理由として「年金や保険が十分でない」を選択している。
また自分の年金の認識については、「ゆとりはないが日常生活費程度はまかなえる」が47.1%となり、前年から4.9ポイント低下していた。一方、「日常生活費程度もまかなうのが難しい」は47.3%で、5.5ポイント上昇している。
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