高齢者の要介護認定をめぐり、厚生労働省は更新時の有効期間を最長で48ヵ月まで延ばす方向で調整を進めていく。認定調査員の要件を緩和し、委託先の一部でケアマネジャー以外が担えるようにすることも検討していく。
14日に開催した社会保障審議会・介護保険部会で提案。委員から大筋で了承を得た。認定の質が下がらないようくぎを刺す声も出たため、慎重にディテールを詰めていく構えだ。実施までのスケジュールを問うと、老健局の担当者は「2021年度が念頭にあるがまだ明言できない」と応えた。
認定を担う現場の負担を軽減する狙いがある。高齢化の影響で申請が増え、要介護度が出るまでにかかる日数が長期化。これまでも有効期間の延長などを重ねてきたが、平均で38.5日と十分に短縮されていない。申請は今後さらに増加していく見通しで、クオリティを保ったままどう簡素化していくかが大きな課題となっている。
新たな有効期間の延長の対象となるのは、更新の前後で要介護度に変更のない高齢者。現行では最長36ヵ月だが、これを最長48ヵ月にしてはどうかという。新規や区分変更、あるいは要介護度が変わる人の認定は、引き続き今の有効期間を維持していく。厚労省は過去の認定データなどを詳しく検証した結果とともに提案した。
認定調査員の要件の緩和は、市町村が社会福祉協議会などの「指定事務受託法人」に認定調査を委託した場合が対象。現行ではケアマネジャーしか認められていないが、これを看護師や社会福祉士、介護福祉士など(*)にも任せていくことが想定されている。ケアマネの確保が難しいことを理由に、自治体の関係者などから見直しを求める声があがっていた。
* 厚労省はケアマネになるための実務経験として認めている資格を参考に対象者を選定するとしている。
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