介護の現場を悩ませている事務負担の大幅な軽減に向けて、厚生労働省は新たなシステムの構築に取りかかることに決めた。
事業所の指定・更新の申請や報酬請求に伴う届け出などを標準化し、一括してブラウザで行える効率的な環境の整備を目指す。来年度までに大枠の設計を固める。今から3年後の2022年度にも稼働できるよう準備を進めていく。
27日に開催した介護保険部会の専門委員会で、こうした計画を盛り込んだ報告書案を提示。委員から大筋で了承を得た。
第5回社会保障審議会介護保険部会介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会 資料
ディテールは今後の議論に委ねられているが、「介護サービス情報公表システム」の機能を拡充する形を想定している。既存の基盤を応用した方がイチから開発するより安くて早い、という判断だ。
大多数の手続きをWeb入力、電子申請のみで済ませられる仕組みの確立を目指すが、技術的な課題を検証したり自治体と調整したりするのはこれから。実際にどこまで実現できるのか、今の段階ではまだ不透明な部分も多い。
厚労省の担当者は会合後、「できるだけ多くの手続きを新たなシステムで行えるようにし、現場の負担軽減につなげていきたい。なるべく早く良い仕組みを作れるよう具体的な検討を進めていく」と説明した。
厚労省はこのほか、事業所に保管すべき書類を電子化する手法もあわせて検討していく方針だ。
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