厚生労働省は28日、昨年度の介護給付費の実績を整理した統計(介護給付費等実態統計)を公表した。
利用者の自己負担と給付費をあわせた総費用は10兆1536億円。2000年度の制度スタートから19年目で初めて10兆円を超えた。高齢化で要支援・要介護の認定を受ける人が増えたことが背景にある。
サービスの需要は今後さらに拡大する見通しだ。国の推計によると、給付費は2025年度までに約15兆円、2040年度までに約25兆円へ膨張するという。
制度を支える現役世代が急激に減っていくなかで、これをどう賄っていくかが最大の課題。審議会などの議論では、利用者の自己負担割合の引き上げや軽度者に対する給付の見直しなどが俎上に載っているが、いずれも現場の関係者らが強く抵抗している。センサーやロボット、AIなどを活かすイノベーションを後押しすべき、と指摘する人も多い。
今回の統計によると、2018年度の総費用は前年度と比べて2.2%増加した。介護給付のサービスを受けた人は、同1.6%増の517万9200人で過去最多を更新。一方で予防給付のサービスを受けた人は、訪問介護と通所介護が総合事業へ移った影響で同17.0%減った。
受給者1人あたりの費用額は17万円(今年4月審査分)となっている。
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