政府は19日、今後の社会保障改革の全体像を議論している「全世代型社会保障検討会議」の中間報告をまとめた。
最大の焦点となった医療をめぐっては、75歳以上の自己負担の仕組みを個々の負担能力に応じたものへ見直すと明記。現行の原則1割を改め、一定の所得がある人は2割とする方針を打ち出した。
「一定の所得」の具体的な基準は、厚生労働省とともに詳しく検討して設定する。長期間にわたって頻回の受診が必要な患者には十分に配慮する、との認識も示した。団塊の世代が75歳に達する2022年度までには遅くとも実施できるよう、来年夏に成案を得て速やかに法制上の措置をとるとしている。
政府は中間報告に、紹介状を持たずに大病院を受診した患者に定額の負担を求める制度の拡充も盛り込んだ。
現行では特定機能病院や400床以上の地域医療支援病院などが対象。初診なら5000円以上、再診なら2500円以上(医科の場合)を徴収する決まりとなっている。
これを200床以上の一般病院へ拡げると記載。患者の負担も引き上げ、増加分は医療保険の財政に組み込む(現行は全て医療機関の収入となる)ルールへ変えるとした。
外来機能の分化を進めて効率的な体制を作ること、現役世代の負担の増加を抑えることが狙いと説明している。こちらも来年夏までに成案を得る予定。
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