介護福祉士を志す人がまた減少に転じている。
今月26日に筆記試験が行われる今年度の国家試験の受験を申し込んだ人は全国で8万7599人。9万4610人だった前回の受験者数より7011人少なかった。社会福祉振興・試験センターが6日に明らかにした。
淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は要因について、「働きながら勉強を重ねるのは非常に負担が重い。給与がすぐさま大幅に上がるわけでもないため、『そこまで頑張らなくてもいいや』と感じている人が少なからずいる」と分析する。あわせて、「介護福祉士の養成はサービスの質を高める観点からも重要。国は学習負担を減らす支援策を強化すべき」と訴えている。
近年の介護福祉士国試の受験者数は以下のように推移してきた。
2016年度の大幅減は、現場で研鑽を積みながら資格を目指す「実務経験ルート」の必須条件に「実務者研修」が加わったため。その後の2年間は少しずつ回復していく傾向がみられていた。
昨年10月の介護報酬改定では、現場でリーダーを担う介護福祉士らの賃金を引き上げる新たな加算(特定処遇改善加算)が創設されている。こうした施策の強化もあって“なり手”の増加が期待されていたが、今年度は3年ぶりの減少という厳しい結果となった。
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