「次の2021年度の介護報酬改定からデイサービス淘汰の時代が始まる」
そう警鐘を鳴らすのは斉藤正行氏。日本介護ベンチャーコンサルティンググループの代表取締役を務めるかたわら、全国介護事業者連盟の専務理事や日本デイサービス協会の理事長を担っている。12日、東京ビッグサイトで開催されている展示会「CareTEX2020」のブースで、「通所介護の生き残り戦略」をテーマに講演した。【Joint編集部】
斉藤氏はこの中で、直近の国の動きを紹介。軽度者へのサービスを給付から外したり利用者の自己負担を増やしたりする改革が見送られたことをあげ、以下のように語った。
「通所介護の事業者にとっては良かった。とはいえ手放しで喜んでいるだけではいけない。単に先送りされただけで、政府は必ず改革を断行してくる。それを理解しないと戦略を誤る」
斉藤氏はそのうえで、「診療報酬との同時改定となる2024年度が大改革の本命本丸。ここに向けて様々な議論が進んでいく」と指摘。次の2021年度の改定について、「2024年度の大改革に向けたエッセンスが散りばめられた中身となる。経営への短期的な影響はそう大きくないかもしれないが、次を見据えてそのエッセンスを読み解くことが非常に重要」との見方を示した。
あわせて、「2024年度まで十分に準備する時間が設けられたと言っていい。次の3年間でしっかりと事業の土台を作りあげないと生き残れない」とも述べた。
斉藤氏は通所介護の事業者が必ず行うべき具体策として、利用者の自立支援、重度化防止につながる取り組みの強化、アウトカムの重視、生産性の向上をあげた。また、保険外サービスの展開と中重度者への特化のどちらかを選択すること、あるいは両者のベストミックスを模索することを勧めた。
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