宮城県は県内の介護職員が週休3日制で働けるよう事業者の支援に乗り出す。村井嘉浩知事が13日に発表したアクションプランに盛り込んだ。
民間のコンサルタントを現場に派遣し、週休3日制を実現できる環境の整備を進めてもらう。自治体としては全国初の試み。非常に深刻な人手不足の解消につなげる施策の一環だ。
来年度、まずはモデルとなる介護事業者を5社ほど募集する。その後、県が契約したコンサルタントを選定先へ送り出す。
コンサルタントは組織、人員体制の改善や職員の意識改革など必要な助言、指導を行う。あわせて、就業規則の見直しや職場環境の向上などにも取り組み、理想的なワーク・ライフ・バランスの確立を目指す。
第一線を退いたシニア人材や専業主婦なども含め、幅広い人材を受け入れる狙いがある。
アクションプランを発表した村井知事は、既に週休3日制を導入した特別養護老人ホームの事例を紹介。育児や趣味などに使える時間が増え、職員のプライベートが充実すると説明した。仕事へのモチベーションやサービスの質も高まり、職員の採用率、定着率の上昇にもつながるとした。
厚生労働省の推計によると、宮城県では2025年度までに4755人の介護職員が不足する見通し。村井知事はこれを踏まえ、「より強力な対策に取り組む」「抜本的な改革が必要」などと強調した。
宮城県はこのほか、来月にベトナム政府と覚書を締結する計画も明かしている。介護分野に意欲のある人材の送り出しについて協力を求める内容。受け入れた人材は、県が業務委託するマッチング支援団体を通じて事業者へ紹介する。住まいの確保や学習をサポートし、できれば介護福祉士の資格取得を目指してもらうという。
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