ホームヘルパーの人手不足が更に加速している。【Joint編集部】
訪問介護の担い手の有効求人倍率が2019年の平均で14.75倍にのぼっていることが、厚生労働省の報告で18日にわかった。職場を探すヘルパー1人に対して、14.75人分の求人がきていることを意味する。
全産業の平均は1.60倍。その9.22倍と極めて高い水準にある。
介護職の平均は3.80倍(2019年4月)。もともと深刻な業界の中でも、訪問介護が特に厳しい状況にあることが改めて浮き彫りになった。必要なサービスを受けたくても受けられない高齢者の増加が懸念されている。
介護報酬を段階的に引き下げてきた国の施策が影響しているとみられる。
非常に大変で責任の重い仕事の割に賃金は低い、とみて敬遠する人が少なくない。初任者研修などを受ける必要があることも要因の1つ。高齢化が進んでリタイアするヘルパーは多いが、新たに参入してくる人はそれほど増えていない。
地域の介護ニーズは今後さらに拡大していく見通し。事態を速やかに好転させる対策が欠かせない。
焦点は来年4月に控える介護報酬改定。厚労省はこれまで「処遇改善加算」の拡充などを進めてきたが、とりわけ訪問介護では思うような成果をあげられていない。次にどんな手を打つのか、業界内だけにとどまらない大きな関心を集めそうだ。
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