高齢化が最大の要因。とりわけ75歳以上の層が増えていることが背景にある。【Joint編集部】
厚生労働省は3日、2018年度の「介護保険事業状況報告(年報)」を公表した。制度の動向をまとめた最新の統計だ。
それによると、昨年3月末時点の要支援・要介護認定者の数は658万人。前年度から2.6%増え、過去最多を更新した。65歳以上の高齢者に占める認定者の割合は18.3%。前年度から0.3ポイント上昇し、こちらも過去最高となっている。
認定率は年齢が上がるにつれて高まっていく。この統計を用いた厚労省の分析では、75歳以上でみると32.1%、85歳以上でみると60.6%にのぼると指摘されている。
認定者の増加に伴って給付費も膨らんでいく。2018年度の累計額は9兆6266億円。前年度から1.9%増え、これまでで最も多くなった。
厚労省は今年度の予算ベースで11兆円超の給付費を想定している。国の推計によると、2025年度までに約15兆円、2040年度までに約25兆円へ膨張する見通しだ。税や保険料を払って支える現役世代が急減していく今後、これをどう分担して賄っていくかが制度最大の課題となる。
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