田村憲久厚生労働相は17日の記者会見で、75歳以上の高齢者に求める医療費の自己負担の引き上げについて、予定通り今年の年末までに対象範囲を決める方針を示した。【Joint編集部】
政府の全世代型社会保障検討会議が俎上に載せているテーマ。これから師走にかけて大きな焦点の1つとなる。
当初は今年夏までに対象範囲を決める予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてスケジュールを見直した経緯がある。コロナ禍の長期化で負担増を議論しにくい状況は変わっていないため、一部では更に先送りせざるを得ないとの観測も浮上していた。
田村厚労相は会見で、「年末までに方向性を出さなければいけない」と明言。「少子化で人口構造は変わっている。一定の負担能力がある方にはご負担をお願いしていかなければならない」と述べた。
続けて、「負担増によって必要な医療が受けられないとなれば大きな問題。対象範囲をしっかり議論していきたい」と付言した。
現行、75歳以上の医療費の自己負担は原則1割(現役並み所得者のみ3割)。国の厳しい財政事情や現役世代の負担の重さなどを勘案し、政府は新たに2割負担を導入したい考えだ。
ただ関係者の間では、高齢者の受診控えの拡がりなどを懸念した慎重論も根強い。2割負担の対象範囲がかなり限定的なものにとどまる可能性もある。
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