「介護人材の確保・定着のための最大の処方箋は処遇改善」。そう訴える50万筆超の署名が、19日に厚生労働省へ提出された。【Joint編集部】
この署名は、介護職が安心・安定して長く働いていけるレベルの給与を支払うよう求めるもの。来年4月に控える次の改定で、施設・事業所の介護報酬を十分に引き上げて実現するよう強く迫っている。
介護職で組織する労働組合、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)が集めた。署名用紙には、介護現場で幅広く共有されている危機感がそのまま書かれている。「現状のままでは、介護人材の不足により介護を必要とする高齢者への対応ができなくなり、介護難民が多数発生することは明らか」。
NCCUの染川朗会長は厚労省内で行った会見で、「介護職の仕事の価値に見合った正しい評価をして欲しい」と主張。「コロナ禍の緊張状態は続いており、介護職はGoToキャンペーンも使えない。感染リスクを踏まえて旅行や食事は自粛すべき、という我慢を求められている。そうしたことも理解して介護報酬を考えて欲しい」と語った。
NCCUは今回、まずは介護職の給与を全産業の平均程度まで高めるよう注文した。一連の要請を受けた田村憲久厚労相は、「もっともな話だ」などと理解を示したという。介護報酬の引き上げには相応の財源がいる。来年4月の改定にどれだけの規模を投じるか、政府は年内に大枠の方針を決定する予定だ。
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