厚生労働省は13日、介護施設・事業所が自治体へ提出する指定申請、報酬請求に関する全ての書類について、押印を廃止する方針を決めた。【青木太志】
年内に通知を出して自治体に徹底を呼びかける。国で作成した各種書類の様式例に設けている押印欄も全て削除する。
社会保障審議会のもとに設けている専門委員会で提案。委員から了承を得た。
介護現場の事務負担の軽減、業務の効率化につなげる狙い。政府全体でデジタル化の流れが加速していることも踏まえて判断した。新型コロナウイルスの流行もあって高まった気運を捉え、介護業界でも“脱ハンコ”の動きを一気に進めていく。
厚労省はこれまでも押印を省く取り組みを行ってきたが、事業所の指定申請、報酬請求に関する書類では、その重要度を考慮して少なくとも以下の3種類は必要だと整理してきた。
○ 指定(更新)申請書
○ 誓約書(申請者が法に定める全ての欠格要件に該当しないことを誓約する文書)
○ 介護給付費算定に係る体制などに関する届出書
今回はこれらの押印も不要とする。この日の専門委では、「介護事業者と自治体は申請に至るまで相応のやり取りを経る。実地調査などの機会もあることから、押印の廃止は可能ではないか」と説明した。
あわせて、菅義偉首相の先月26日の所信表明演説も紹介した。「行政への申請などにおける押印は、テレワークの妨げともなることから原則全て廃止する」。
厚労省は今月9日に開催した審議会で、ケアプランや各サービスの計画書、重要事項説明書などの同意を利用者・家族から得る際の押印についても、原則として不要とする方針を打ち出していた。
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