厚生労働省は2日、感染症や災害が発生した際の現場の対応力を今より強化していく観点から、来年度の介護報酬改定で事業所の運営基準をサービス横断的に見直す方針を決めた。3年間の経過措置を設ける。【Joint編集部】
有事に備える業務継続計画(BCP)の策定やシミュレーション(訓練)、研修の実施を全ての事業者に義務付ける。既に特養や老健には、感染症のまん延を防ぐ取り組みとして委員会の開催や指針の整備などを求めているが、これを訪問系、通所系、多機能系、居住系、居宅介護支援、福祉用具貸与などでも新たに義務化する。
加えて、災害を想定した訓練の際に地域住民と連携することを施設系、通所系、特定施設などの努力義務に加える。いずれも経過措置後の2024年度から完全適用する。
社会保障審議会・介護給付費分科会で説明。大筋で了承を得た。新たな運営基準は年度内に示す。委員からは現場の負担が増すことを踏まえ、基本報酬の引き上げをセットで行うべきとの声があがった。
厚労省は会合で、今回の新型コロナウイルスの流行や近年の自然災害の増加傾向などによって、「日頃からの取り組みの重要性が再認識された」と説明。BCPについては、その策定を支援するサービスごとのガイドラインなどを提示する構えをみせた。
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