厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、利用者の口腔機能の向上や栄養状態の改善に着目したインセンティブを通所介護に新設する方針を固めた。【Joint編集部】
介護職員による口腔機能のスクリーニングを評価する。管理栄養士と連携して行う栄養アセスメントにも対価を支払う。自立支援・重度化防止につながるサービスの提供を促す、という改定の大きな方向性に沿った施策の一環。
9に開催した社会保障審議会・介護給付費分科会で説明した。年内にまとめる審議報告に盛り込む。要件のディテールや単位数などは年度内に通知する。
口腔機能の低下を早期に把握し、適切な管理につなげて重症化を防ぐ − 。これがスクリーニングの目的だ。
厚労省は現在、歯科医のような知識を持たない介護職員でも使えるスクリーニング項目を開発中。これを用いた利用者への質問・観察、多職種との情報共有などを評価する構えをみせている。既存の「栄養スクリーニング加算」の取り組みとセットで実施するよう求めていく考えだ。
国の2018年度の調査結果によると、通所介護で低栄養状態(BMI18.5未満)の利用者がいる事業所は18.9%。適切な介入を行うべき人が一定数いるとみられるなか、BMIを把握していない事業所は66.3%にのぼっている。
栄養アセスメントに関する加算が新たに作られることになった背景だ。厚労省は、「CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用によるPDCAサイクルの推進を要件の1つとする」との意向を示している。
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