厚生労働省は今回の介護報酬改定を機に、現場で働く全ての無資格の介護職員に「認知症介護基礎研修」を受けてもらうルールへ変えていく。新年度に向けて発出した各種の通知では、この見直しについて詳しく説明している。【Joint編集部】
これまでアナウンスしてきた通り、向こう3年間は経過措置の期間と位置付ける。新年度から2023年度までは努力義務にとどめ、2024年度から研修受講の義務化に踏み切る方針を明示した。
新たに採用した無資格の介護職員を対象とした特例も設ける。採用後1年間に限って義務付けを猶予し、その間に研修を受けてもらえば問題ないとした。こうした具体的な規定は、各サービスの新たな運営基準の解釈通知に書き込んでいる。
このルールの見直しは、介護サービスを担う全ての人に認知症ケアの“いろは”を身に付けてもらうことが狙い。各サービスの事業者は今後、全ての無資格の介護職員に研修を受けさせる責務を負う。サービスの質の底上げ、利用者の尊厳の保障につなげる施策の一環だ。
介護労働安定センターの2019年度の調査結果によると、看護師、社会福祉士、介護福祉士、ケアマネジャー、ホームヘルパーといった関係資格を何も持っていない人は、介護職員のおよそ6%だと報告されている。
認知症介護基礎研修のカリキュラムはeラーニング対応で6時間。認知症の人の理解、対応の基本、ケアの留意点などを学ぶ内容となっている。
厚労省は解釈通知だけでなく、先週末に公表した介護報酬改定のQ&Aでもこの見直しについて解説した。
この中では、「認知症サポーター養成講座の修了者は義務付けの対象外となるのか?」との質問を紹介。「対象外とはならない」と明記した。このほか、養成校の卒業生や外国人の取り扱いなどについても公式見解を示している。
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