厚生労働省は26日、今年度の介護報酬改定の疑問に答えるQ&Aの第8弾を公表した。今回は全て通所介護、通所リハビリテーションの「入浴介助加算」に関する内容だ。【Joint編集部】
利用者が自分自身の力で、あるいは家族やヘルパーなどのサポートを受けながら、それぞれの住まいで入浴できるようにしていく − 。
これを目的とする新たな上位区分の「加算II」について、"事業所での入浴の自立"を図ることを当面の目的として位置付ける運用も、条件付きで認めると明記されている。
対象となるのは、浴室が無いなど住まいでの入浴を想定できない利用者や、心身機能を大幅に改善しなければ住まいでは入浴できない利用者。以下の5つを全て満たせば「加算II」を算定できるという。
1)事業所の浴室で医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、ケアマネジャー、機能訓練指導員などが利用者の動作を評価する。
2)福祉用具など自立した入浴に向けて必要な設備を事業所に備える。
3)事業所の機能訓練指導員らが共同で、利用者の動作を評価した人とも連携し、利用者の身体状況や事業所の浴室環境などを踏まえた個別の入浴計画を作成する。
※ 個別の入浴計画を通所介護計画の中に書き込むことも可。
4)個別の入浴計画に基づき事業所で入浴介助を行う。
5)入浴設備の導入や心身機能の回復などにより、事業所以外の場所での入浴が想定できるようになっているかどうか、個別の利用者の状況に照らし確認する。
入浴介助加算の「加算II」は55単位/日。専門職らが利用者の住まいを訪問して浴室環境を確認すること、それを踏まえた個別計画を多職種連携のもとで策定すること、計画に沿った個別の入浴介助を事業所で行うことなどが通常の要件だ。厚労省はそもそも浴室がない場合、利用者の状態が非常に重い場合など一部に限り、住まいを訪問しない柔軟な運用も認める意向を示している。
※ 従前の区分にあたる「加算I」は40単位/日で、10単位の引き下げとされた。
厚労省はこのほか、今回のQ&Aで「加算II」について、「利用者の身体状況や居宅の浴室環境に変化が認められた場合に、(住まいへの訪問による)再評価や個別の入浴計画の見直しを行うこと」と規定した。また、浴室環境の評価を担う専門職の範囲や利用者の住まいの種類などについても、補足的な解釈を明らかにしている。
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