宮崎県都農町が思い切った施策の実施を決断した。町内の施設・事業所で新たに働き始める介護職員やケアマネジャーに対し、支度金として最大30万円を支給することに決めた。【北村俊輔】
9日の議会で可決、成立した今年度の補正予算に必要な経費を盛り込んだ。
今も町内の現場に従事している既存の職員に対しても、処遇改善の一環として年間で最大20万円を支払う。
いずれも町外に自宅がある人の申請も認める。これを今後20年間にわたって続けていくという。気前の良い現金支給で人材確保や離職防止などを図る。
支度金を受け取れるのは、町内の施設・事業所から常勤職員として新規内定を得た人。金額は介護福祉士などの国家資格を持つ介護職員とケアマネが30万円、それ以外の介護職員が10万円となっている。支度金は1人1回まで。受け取った人は5年以上勤務することが求められる。
都農町はあわせて、町内で仕事をする既存の介護職員やケアマネにもボーナスを出す。4月と10月の年2回、それぞれ最大10万円。これを毎年支払っていく。介護職員の支給額には国家資格の有無、常勤・非常勤などで差をつける。
このほか、町内に勤務するケアマネが更新研修や主任ケアマネ研修などを受講する際に、その費用を補助する制度も設けた。1回につき10万円までで、常勤としての3年以上の勤務を要請する。
こうした施策を全て2040年度まで継続的に展開していく。今年度の予算額は3020万円。現在のところ、支度金で10人程度、処遇改善の一時金で185人程度、ケアマネの研修費補助で2人程度の申請を見込んでいる。
町役場の介護保険係の担当者は、「介護ニーズが高まる2040年に向けて、人材確保や離職防止といった現場の課題の解消につなげたい」と説明。「街作りや移住の呼び込みも兼ねた施策」と話している。
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